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■1週間で新たに32人のはしか患者を確認 ワクチン接種など呼び掛け [健康ダイジェスト]

 国内のはしか(麻疹)の患者がこの1週間で30人以上確認され、国立感染症研究所は、ワクチンの接種など注意を呼び掛けています。
 国立感染症研究所によりますと、先月24日までに全国の医療機関から報告されたはしかの患者数は32人で、昨年1年間のはしかの患者数35人を上回る勢いで増えています。
 こうした中、厚生労働省によりますと、この1週間で新たに32人の患者が確認され、30人は関西国際空港で勤務している人だということです。
 国立感染症研究所によると、はしかは空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染などさまざまな経路で感染。免疫を持たない人がウイルスに触れると、90パーセント以上が感染します。10〜14日の潜伏期間を経て38度前後の発熱が2〜4日続いた後、39・5度以上の高熱とともに全身に発疹が現れるのが特徴です。
 肺炎や中耳炎、心筋炎などの合併症を発症することがあり、まれには中枢神経系合併症を起こすことがあり、うち20〜40パーセントに後遺症が残るといいます。また、幼児期に感染後、学童期になってから「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という、進行性で致死的な中枢神経疾患を起こすこともあります。
 治療は、対症療法以外ありません。ワクチンを2回接種すれば、95パーセントは免疫ができます。しかし、国内での1歳児のワクチン接種率は約50パーセントしかなく、感染の可能性がある人は全国に約300万人いると考えられています。
 初期症状が風邪に似ていることから、風邪として医療機関を受診した場合には、2次感染の恐れもあります。このため、日本環境感染学会は2日、はしかが流行する恐れがあるとして、院内感染を防ぐよう全国の会員に注意喚起を出しました。
 感染力が強いはしかは肺炎や脳炎などを起こす可能性もあり、院内感染で重篤な事態につながる可能性があるため、発疹や発熱など疑いがある患者が来た時には隔離や保健所への報告を徹底し、医師らのワクチン接種なども再検討するよう求めています。
 日本は昨年、世界保健機関(WHO)から「はしかが排除状態にある」と認定されたばかりですが、厚生労働省によりますと、国内で持続的な感染が続けば「排除状態」でなくなる恐れもあるということです。
 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「感染経路の調査から、今のところ、感染の広がりは限定的だと考えられる。ただ、はしかは非常に感染力が強いので注意が必要だ。ワクチン接種を進めるとともに、感染者が出た施設に行った人で発熱などの症状がある場合は医療機関に、まず相談の電話をしてほしい」と注意を呼び掛けています。

 2016年9月2日(金)

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