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■エボラ出血熱、膵臓損傷で重症化 東大など、患者の血液分析で解明 [健康ダイジェスト]

 致死率が5割前後とされるエボラ出血熱の重症化の仕組みの一部が、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授やアメリカのウィスコンシン大学などの国際研究チームによる患者の血液の分析で明らかになりました。死亡する患者と回復する患者を見分けるのに役立ちそうなタンパク質なども見付かりました。
 16日付のアメリカの科学誌「セル・ホスト・アンド・マイクローブ」に、論文を発表しました。
 エボラ出血熱は突然の発熱や筋肉痛などの症状から始まり、嘔吐(おうと)や下痢、肝機能障害などを起こします。2013~16年に西アフリカで大流行し、患者は2万8000人を超え、約1万1000人が死亡しました。
 研究チームは2015年2月~8月にかけ、最もエボラウイルスへの感染者が多かったシエラレオネで、患者20人と感染していない成人10人の血液を分析しました。患者のうち9人は死亡し、11人は生き残りました。
 死亡した患者は回復した患者に比べ、血液中に漏れ出した膵臓(すいぞう)の消化酵素の量が約30倍多いことがわかりました。膵臓の酵素は通常は必要以上に膵臓の外に出ませんが、重症化した患者はエボラウイルスによって膵臓が損傷を受けて消化酵素が漏れ出し、全身の臓器を傷付けたり出血を起こしたりしたと考えられるといいます。
 また、死亡した患者は回復した患者に比べ、症状が出始めてから亡くなるまで、血液中の「ビタミンD結合タンパク質」とアミノ酸「L―スレオニン」の量が2分の1~4分の1しかありませんでした。
 河岡教授は、「重症化しそうな患者を見分けるのに役立つ可能性がある」と話しています。

 2017年11月17日(金)

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