SSブログ

■肺がん手術後の高齢者の日常生活を追跡調査 全国44の病院で850人を対象に [健康ダイジェスト]

 肺がんの切除手術を受けた高齢者の中には、手術後に体力が落ちるなどして日常生活に影響が出るケースが少なくないことから、専門医らのチームが全国40余りの病院で、手術後の生活の追跡調査を行うことになりました。研究チームでは、患者が手術を受けるかなど、治療法を選択する際の参考にしてもらいたいとしています。
 この調査は、日本全国の約200の医療機関が参加している日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の医師らが中心となって、来年から全国44の病院で実施します。肺がんの切除手術を受けた75歳以上の患者およそ850人を対象に、手術を受けて半年後や1年後に体力が低下するなどして、日常生活に影響が出ていないか調査します。
 具体的には、日用品の買い物や自分で食事を用意すること、またはバスや電車を使って1人で外出することができているかや、本や雑誌を読まなくなったり、友人の家を訪ねなくなったりしていないかを聞きます。また、認知機能が低下していないかも調べます。
 研究チームによりますと、高齢の人に肺がんが見付かった場合、医師は、手術だけでなく放射線治療や抗がん剤の投与など複数の治療方法を提示することが多く、この際、今回の調査結果を患者に示すことで、治療法を選ぶ際の参考にしてもらいたいとしています。
 研究チームのメンバーで日本赤十字社医療センターの國頭英夫医師は、「生存率だけでなく、手術後に自分の生活がどのように変わるかは治療法を選択する上で大変重要なポイントで、どんな患者にどのような影響が出るのかデータを集めていきたい」と話しています。
 研究チームでは今後、放射線治療や抗がん剤の投与などほかの治療方法による手術後の影響や、肺がん以外のがんでも同様の追跡調査を検討したいとしています。
 がんの手術を受ける患者は、高齢化が進んでいます。このうち、がんの中で最も死亡者数が多い肺がんの手術件数は、3年前に3万8085件ありましたが、このうち70歳以上の患者は2万355件と半数以上を占め、80歳以上でも4590件と全体の12%に上っています。
 高齢者の中には、体に負担がかかる手術を控える人も少なくありません。国立がん研究センターが一2015年の肺がん患者(非小細胞がん)5万人余りを対象に治療内容を調べた結果、ステージ1では、手術を受けなかった人の割合が40歳から64歳までで4・7%だったのに対し、75歳から84歳までは23・3%、85歳以上では63・2%に上りました。また、ステージ2の患者では、40歳から64歳までが9・9%だったのに対し、75歳から84歳までは36・0%、85歳以上では71・0%に上っています。

 2017年12月26日(火)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。