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■脂質代謝異常で発症か、もやもや病の遺伝子の働きを解明 京産大などのチームが発表 [健康ダイジェスト]

 日本や中国、韓国など東アジア人に多い脳の難病「もやもや病」にかかわる遺伝子が、細胞内で脂肪を蓄える働きをしていることを突き止めたと、京都産業大などの研究チームが発表しました。同病は原因不明で、これまで脂質の代謝との関係性は注目されていませんでした。研究チームは「代謝バランスが崩れ、病気が引き起こされている可能性がある」としています。
 研究成果は日本時間2019年1月31日23時に、アメリカの科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」(電子版)に掲載されました。
 もやもや病は脳の動脈が細くなり、手足の力が抜けたりする病気で、1957年に日本で発見され、脳の毛細血管がもやもやとした煙のように見えることが病名の由来。発症は5歳前後に多く、脳への血液供給不足による発達障害を合併する場合もあります。成人以降では血管が破れて脳出血が起きる場合もありますが、根本的な治療法はありません。日本国内の患者は1万数千人。歌手の徳永英明さんが病気を公表したことでも知られます。
 患者の遺伝子解析など従来の研究で、発症者には「ミステリン」という遺伝子に変異があることがわかっていました。ただ、そもそもミステリンが体内で果たす具体的な役割は不明でした。
 そこで、研究チームは今回、培養細胞を使ってミステリンが作るタンパク質の働きを詳しく分析。細胞内でこのタンパク質が中性脂肪やコレステロールなどの粒を包み込む様子が確認され、脂肪が分解しないようコントロールしていることがわかったといいます。
 研究チームの森戸大介・昭和大講師(京産大元主任研究員)は、「もやもや病は脂質の代謝異常が鍵となっている可能性があり、発病プロセスの解明につなげたい。また、肥満や動脈硬化といった他の脂質代謝異常による病気にも役立つかもしれない」と指摘。今後、患者と同様の遺伝子変異を持たせたマウスを使い、さらに詳しい分析を進めるといいます。

 2019年2月7日(木)

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