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■仲間内の飲み会など会食での新型コロナウイルス感染が相次ぐ 感染経路に変化 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスへの感染は5月25日に全都道府県の緊急事態宣言が解除されて以降、接待を伴う飲食店などで感染するケースが多い状態が続いていましたが、最近では仲間内での飲み会や宴会など、会食で感染するケースも相次いでいます。
 専門家は、換気の悪い店での会食では感染しやすい条件がそろうとして、3密になる環境を避けることや換気を徹底するなど、基本的な対策をとるよう求めています。
 飲み会や宴会など、複数の人たちによる会食で感染したケースは全国各地で報告されており、東京都内では、感染経路がわかっているケースのうち、会食で感染した人の占める割合は1週間ごとの平均でみると、7月1日からの1週間は9・9%でしたが、22日からの1週間では13・6%と徐々に増えてきています。
 一方で、接待を伴う飲食店などで感染した人が占める割合は7月1日からの1週間は53・6%、8日からの1週間は45・6%と高い状態が続いていましたが、22日からの1週間では23・4%と、全体に占める割合が減ってきています。
 新型コロナウイルスの感染経路は、ウイルスのついた手で鼻や口などを触ることで起きる「接触感染」、せきやくしゃみなどによる「飛沫感染」、換気の悪い密閉空間で大きな声で会話したり、歌を歌ったりした際に口から出る5マイクロメートル(1000分の5ミリ)未満のごく小さな飛沫による「マイクロ飛沫感染」の3つとされますが、会食の際にはいずれも起きやすくなります。
 会食の際、「接触感染」は、感染した人と同じ食器を共有するなどして、手にウイルスがつくことで起きます。
 また、「飛沫感染」は2メートルほどの範囲で起きるとされ、神戸市の理化学研究所がスーパーコンピューター「富岳」を使って室内でどう広がるのか解析すると、机をはさんで対面している場合、口元を隠すくらいの高さの仕切りを間に置いていても、1人がマスクをせずにせきをすると、向かいにいる人の顔に飛沫がかかる結果になりました。一方で、頭の高さより高い仕切りがあれば、飛沫はせき止められることがわかりました。
 さらに、「マイクロ飛沫」は、換気の悪い密閉空間ではしばらくの間、空気中を漂って、少し離れた場所にも届くとされ、換気の悪い店での会食の際、せきやくしゃみなどの症状がなくても、マスクを外して会話をすることでマイクロ飛沫による感染が起きると考えられています。ただ、換気をすると、空気中を漂うマイクロ飛沫を排出することができます。 
 換気の悪い店での会食では感染しやすい条件がそろうため、新型コロナウイルス対策について厚生労働省に助言する専門家の会合では、3密になる環境を避けること、換気を徹底すること、会食の際も会話をする時にはマスクをすることなど、基本的な対策を行うことが強く求められるとしています。
 仲間内での飲み会など会食で感染するケースが相次いでいることについて、日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は「都市部では当初、接待を伴う飲食店などが感染の中心だったが、フェーズが変わって市中に広がり始めている。飲み会の場では、トングや箸を共有するなど接触感染が起きやすく、リラックスしている場でお酒も入るとどうしても油断してしまったり声が大きくなったりしてマイクロ飛沫感染のリスクも上がる」と話しています。
 その上で求められる対策として、「食事をする時にマスクはつけられないので、店側はテーブルにアクリル板を設置することや、空調を使った換気や、手指消毒をしっかり行うなどガイドラインを徹底して守ることが求められる。外食そのものが悪いのではなく、少人数でガイドラインが守られる店で個人個人が注意する食事ならば、リスクはかなり限定されたものと考えている。どうしても大きな声で話してしまう大人数での会食は可能な限り避け、体調が悪いと感じたら飲み会に行かないなど、感染のリスクを少しでも減らすことを心掛けてほしい」と、注意を呼び掛けました。

 2020年8月1日(土)

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