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■新型コロナ治療薬レムデシビル、入院患者への投与勧めず WHOが指針を公表  [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルス感染症の治療薬として日本で特例承認されている、抗ウイルス薬レムデシビルについて、世界保健機関(WHO)は20日、世界各地の臨床試験を分析した結果、「死亡率の低下や酸素吸入の必要性の改善などにつながる重要な効果はなかった」として、「症状の軽い重いにかかわらず入院患者への投与は勧められない」とする指針を公表しました。
 WHOは、「人体に害を及ぼす可能性が残っていること、必要な経費が高くなりがちなことからも、これが適切な勧告だ」と表明。ただし、治療薬として「効果がゼロと証明できたわけではない」とも付け加えました。
 一方、WHOは今回の指針で、デキサメタゾンなどのステロイド系抗炎症薬については、致死率を下げる効果が見られたとして、重症者への使用を推奨しています。
 レムデシビルを開発したアメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズは公式な反応を示していませんが、WHOが10月に自らが行った臨床試験の暫定的な結果を発表した際には、WHOのデータは厳格な検証をまだ受けていないもので、これまで別の臨床試験で示された有効性と矛盾しているなどとして、懸念を示していました。
 レムデシビルについては、アメリカの食品医薬品局(FDA)が今年5月、緊急での使用を許可し、これを受けて日本も特例で使用を承認しており、アメリカでは10月に新型コロナウイルスの治療薬として正式に承認されています。10月に新型コロナウイルスへの感染が判明したドナルド・トランプ大統領にも、投与されていました。 
 厚生労働省が公表している「新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)診療の手引き」では、原則、人工呼吸器や人工心肺装置(ECM〈エクモ〉)などを装着する重症患者にレムデシビルを投与することとしています。
 供給量が限定されるため、現在は厚労省から使用を希望する医療機関に配付されています。
 今回のWHOの指針について、厚労省は「承認時に根拠にした臨床試験のデータが否定されたわけではない上、有効性がないという結果でもないため、承認について見直す予定はない」と話しています。

 2020年11月22日(日)

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