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■風邪患者の30%余に効果がない抗菌薬を処方 医療機関を調査 [健康ダイジェスト]

 風邪で医療機関を受診した患者に対して、実際には効果がない抗生物質などの抗菌薬が30%余りの人に処方され、処方される割合は地域によって20ポイントを超える差があることが、全国健康保険協会の調査で明らかになりました。
 抗菌薬は細菌には効果がある一方で、ウイルスが原因の風邪やインフルエンザなどには効かず、不必要な処方が薬が効かない耐性菌を増やすことにつながっているとして、国は抗菌薬を適正に使用するよう求めています。
 中小企業の健康保険を運営する全国健康保険協会は、約4000万人の加入者の診療報酬明細書を分析し、「急性上気道炎」、いわゆる「風邪」の患者に対してどれだけ抗菌薬が処方されているか調べました。
 その結果、処方された割合は2018度は31・4%と、43・6%だった2015年度よりは12ポイント余り減っていましたが、依然不必要な処方が多いことが明らかになりました。
 また、都道府県別のデータがある2017年度で分析すると、処方の割合が最も低かった福井県は26・6%でしたが、最も高かった奈良県は48・9%で、20ポイントを超える差がありました。
 調査の結果について全国健康保険協会は、「風邪に対して抗菌薬が使われる割合は依然多く、地域によって大きな差があることが明らかになった。耐性菌の出現を減らし健康を守るためにも、抗菌薬の適切な使用を促していきたい」と話しています。

 20190年10月28日(月)

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■炎症性腸疾患の治療薬、安全な服用量算定に成功 滋賀医科大の研究チーム  [健康ダイジェスト]

 滋賀医科大学の河原真大講師らの研究チームが、炎症性腸疾患や急性白血病の治療薬「チオプリン」の安全な服用量を見積もることに成功し、24日にイギリスの学術誌のオンライン版で研究成果を報告しました。
 これまでは副作用が生じる量がわからず、服用にはリスクが伴っていました。骨髄移植後に再発した白血病にチオプリンが効果的な可能性も浮上し、河原講師は「より安全な投与や応用につなげられる」と話しています。
 チオプリンは、血液中の白血球などを生み出す「造血幹細胞」に作用し、体の免疫が過剰に働くのを防ぐ薬。非常に安価なことから、免疫が食物などに対して異常に働くことで腸に炎症が生じるクローン病などの炎症性腸疾患の国内患者約20万人のうち約3割が服用しています。
 一方、日本人を含むアジア人の約4人に1人はチオプリンの作用にブレーキをかける役割の遺伝子に異常があり、薬が効きすぎることで副作用が生じ、50人に1人の割合で髪が抜け落ちたり、白血球がほとんどなくなったりするなどの重篤な症状が出るとされています。
 河原講師らは実験用のマウスの遺伝子を操作することにより、チオプリンに敏感な体質を持つマウスを生み出し、副作用を再現することに成功。実験ではチオプリンを服用した敏感な体質のマウスの造血幹細胞が攻撃され、副作用として骨髄細胞が減少したことが確認されました。チオプリンの副作用を動物実験で再現したのは世界で初めてといいます。
 実験をもとに、河原講師らは体重60キロの成人で1日当たり1ミリグラム以下の服用量なら、チオプリンに敏感な体質の人でも副作用が生じないことを突き止めました。
 河原講師は、「敏感な体質の患者も安全な量がわかれば、副作用を避けて服用できるようになる」と期待を寄せています。
 さらに、チオプリンに敏感な体質を持った白血病のマウスがチオプリンの副作用が生じない体質のマウスから骨髄移植を受けると、白血病を再発した際に、移植前は使うのが難しかったチオプリンが逆に高い治療効果があることも判明しました。
 河原講師は、「骨髄移植後に再発した白血病の治療は非常に難しいが、チオプリンの投与が有効な可能性がある。臨床研究で詳細を明らかにしたい」としています。

 2019年10月27日(日)

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■海藻を食べる人は心筋梗塞の発症リスク減 がんセンターと筑波大が追跡調査 [健康ダイジェスト]

 海藻を食べる人は食べない人に比べ、心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症するリスクが減るとの研究結果を、筑波大学と国立がん研究センターなどの研究チームが10日までに、発表しました。全国8県に住む40~69歳の男女、約8万6000人の健康状態を約20年間追跡しました。
 研究チームの山岸良匡(かずまさ)筑波大教授(社会健康医学)は、「海藻はカリウムや食物繊維が豊富で健康によい食品と考えられてきたが、食生活に関する調査で、虚血性心疾患の関連が明らかになるのは初めてだ」と話しています。
 研究チームは、調査に参加した人を、海藻を「ほとんど食べない」「週に1~2日」「週に3~4日」「ほとんど毎日食べる」の4グループに分け、虚血性心疾患発症との関連を調べました。
 その結果、ほとんど食べない女性と比べて、ほとんど毎日食べる女性は、リスクが0・56倍と半分近くになることがわかりました。男性は0・76倍でした。
 海藻に含まれる食物繊維が脂質代謝を正常化したり、タンパク質が血圧を低下させたりすることが要因に考えられるといいます。
 脳梗塞やくも膜下出血など脳卒中の発症についても調べましたが、関連は確認できませんでした。

 2019年10月26日(土)

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■横浜市大病院がCT画像診断の記載見落とす 70歳代の男性患者が死亡 [健康ダイジェスト]

 横浜市立大学は24日、大学病院(横浜市金沢区)の医師が、骨盤付近にある内腸骨動脈瘤(りゅう)の異常が指摘されたコンピューター断層撮影法(CT)検査の報告書の記載を見落とし、70歳代の男性患者が死亡したと発表しました。
 発表によると、男性患者は腎臓疾患で2017年6月、CT検査を受けました。放射線科の医師は動脈の血管のこぶが増大していると画像診断報告書に記載しましたが、主治医の内科医は記載を見落とし、適切な治療を行いませんでした。
 男性患者は今年9月に救急搬送され、動脈瘤破裂との診断を受け、出血性ショックで死亡。別の医師が改めて報告書を確認し、見落としが判明、遺族に謝罪しました。
 主治医は「予期しない所見に注意がいかなかった」と釈明しているといいます。
 相原道子病院長は記者会見で、「適切な対処をしていれば死亡しなかった可能性はあった」と話しました。
 同病院では、がんの疑いがある報告を見落とし、昨年4月に患者が死亡するなどミスが相次いでいました。

 2019年10月26日(土)

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