■ワクチン接種完了者は屋内も屋外もマスク不要 アメリカＣＤＣが新指針

　アメリカの疾病対策センター（ＣＤＣ）は13日、新型コロナウイルスワクチンの接種が完了した人に対し、屋内でのマスク着用義務を解除すると発表しました。ジョー・バイデン大統領は国民向けテレビ演説で、「これは素晴らしい節目、素晴らしい日だ」と語り、国民にワクチンの接種を重ねて呼び掛けました。
　ＣＤＣのロシェル・ワレンスキー所長は、「ワクチン接種が完了した人は、規模の大小を問わず屋内外の活動に参加する際、マスクの着用や対人距離の確保が必要なくなる」と説明。「接種が完了すれば、パンデミック（世界的な大流行）が理由でやめたことを再開できるようになる」としました。
　これまでに集まったデータからは、ワクチンは発症予防のみならず、感染防止に極めて有効であることがわかっています。まれに発生する接種完了者の感染例についても、鼻腔内のウイルス量は概して少なく、ほかの人にウイルスをうつす可能性は非常に低いことが、研究から示されています。
　ＣＤＣのウェブサイトによると、アメリカ国内外を移動する飛行機やバス、電車などの公共交通機関、空港や駅などではマスクの着用が引き続き必要になる場合があります。
　ワクチン接種完了者がアメリカに入国する場合も、これまでと変わらず出発前３日以内に検査を受けるか、過去３カ月の間に新型コロナウイルス感染症から回復したことを示す文書の提示が必要となります。
　ワレンスキー所長は、感染状況が悪化した場合は指針を変更する可能性があると述べました。
　アメリカでは18歳以上でワクチンを少なくとも１回接種した人は58・９％で、２回接種を完了した人は45・６％に上っていますが、接種をためらう人も少なくないことから、課題となっています。
　バイデン大統領は「ワクチンを接種するか、それまでマスクを着けるかだ」と述べ、接種を完了していない人には引き続きマスクの着用を求めるとともに、ワクチンの接種を急ぐよう重ねて呼び掛けました。
　今回の判断の背景にはワクチンの接種により得られる利益を明確にすることで接種をためらう人にアピールし、普及を促したい狙いもあるとみられています。

　２０２１年５月１４日（金）

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■新型コロナワクチン接種後、新たに20～90歳代の男女20人死亡 累計39人に

　厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた人のうち、新たに20人の死亡が確認されたと発表しました。接種との因果関係については評価できないか、評価中だとしています。
　これは、厚生労働省が12日に開いた専門家部会で報告しました。
　死亡したのは、５月６日までにファイザーのワクチンの接種を受けた20歳代から90歳代の男女20人です。
　医療機関などからの報告では、接種後に脳出血や心不全などがみられ、２人は老衰と診断されたということです。
　接種との因果関係については、９人を「情報不足などで評価できない」、11人を「評価中」だとしています。
　５月６日までに高齢者や医療従事者などに行われた接種は合わせて423万回余りで、接種後に死亡したのは累計39人となりました。
　また、５月２日までに報告された接種後の症状のうち、国際的な評価指標でアナフィラキシーに該当したのは107件で、約３万5700回に１件の割合でした。全体の４割近くが40歳代だったということです。
　厚労省の専門家部会は、「現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」として、引き続き接種を進めていくことを了承しました。
　厚労省の専門家部会の委員で、埼玉県立小児医療センターの岡明病院長は、接種後の死亡について「高齢者の死亡は一定の確率で起きるので、どのように評価して伝えていくかは非常にデリケートな問題だ」とした上で、「具合が悪い時に接種を受けると、状態が悪化するリスクなどがある。接種を焦らず、体調を優先して延期することなども検討してほしい」と述べました。

　２０２１年５月１４日（金）

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■タイでイギリス型変異ウイルスの感染拡大 １日の感染者数が過去最多の4887人に

　タイでは、イギリスで確認された変異ウイルスの感染が拡大し、刑務所で大規模なクラスターが発生するなどして、１日の感染者数が過去最多となり、タイ政府は警戒を強めています。
　タイ政府は13日、記者会見を行い、１日の感染者数が4887人と、これまでで最も多くなったと発表しました。
　このうち、首都バンコクにある刑務所と敷地内の施設では、大規模なクラスターが発生し、2800人を超える感染が確認されたということです。
　この刑務所と施設には、昨年から続いている反政府デモで王室を中傷したとして不敬罪で起訴された中心メンバーたちが拘置されており、このうち女性のリーダーは５月６日に保釈された後に感染が確認されていました。
　タイでは、今年３月ごろからイギリスで最初に確認された変異ウイルスの感染が拡大し、５月10日にはインドで確認された変異ウイルスの感染も初めて確認されていて、若者を中心に感染が急速に広がって、４月初めは１日の感染者数が100人以下でしたが、５月に入ると連日2000人前後に急増していました。
　タイ政府は外出時のマスクの着用を全国で義務付け、バンコクを含む41都県を対象に公園やマッサージ店などを閉鎖し、飲食店の店内での食事も禁止する措置をとるなどして警戒を強めています。
　さらに、各地に感染者の治療に当たる仮設の病院を設けるとともに、ワクチンの接種を急いでいます。

　２０２１年５月１４日（金）

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■東京都、新型コロナに1010人が感染 累計感染者は15万71人に

　東京都内では13日、新たに10歳未満から90歳代までの男女合わせて1010人が、新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。１週間前の木曜日より419人増え、１日の感染確認が1000人を超えるのは５月９日以来です。
　都は、高い水準で推移している上、大型連休後には仕事など社会活動が再開し人の流れの増加がみられるとして、外出の自粛を含めた感染防止対策の徹底を呼び掛けています。
　都によると、直近１週間の平均新規感染者数は933・９人で、前週の736・６人と比べて26・８％増加。
　13日の新規感染者1010人の年代別は、10歳未満が30人、10歳代が66人、20歳代が316人、30歳代が196人、40歳代が152人、50歳代が115人、60歳代が51人、70歳代が40人、80歳代が31人、90歳代が13人。
　1010人のうち、約60％に当たる603人は、これまでのところ感染経路がわかっていません。また、ネパールとカナダ、ロシアに渡航歴のある人が、それぞれ１人いました。
　一方、感染経路がわかっている濃厚接触者の内訳は、「家庭内」が224人で最も多く、次いで「職場内」が47人、「施設内」が43人、「会食」が20人などとなっています。
　大型連休中の事例では、70歳代の夫婦が帰省した息子から感染したケースや、車で旅行に出掛けた20歳代の友人グループ４人のうち３人が感染したケースなどがあったということです。
　これで都内で感染が確認されたのは、15万人を超えて15万71人になりました。
　13日時点で入院している人は、12日より41人減って2358人となり、「現在確保している病床に占める割合」は42・２％となっています。
　一方、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は、12日より２人減って84人となり、重症患者用の病床の22・５％を使用しています。
　また、都は、感染が確認された60歳代から90歳代までの男女合わせて７人が死亡したことを明らかにしました。このうち、80歳代の男性と90歳代の女性の２人は、変異ウイルスの感染が確認されました。
　これで都内で死亡した人は、合わせて1938人になりました。うち、変異ウイルスに感染して死亡した人は、合わせて16人になりました。

　２０２１年５月１４日（金）　

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