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■肝臓の線維化を血液で手軽に検査できる試薬を発売 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス [健康ダイジェスト]

 シーメンスヘルスケア傘下で診断薬事業を手掛けるシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(東京都品川区)は、慢性肝疾患を持つ患者の肝臓の線維化(肝線維化)の程度を診断する血液検査用試薬「ケミルミTIMPー1」を発売しました。国内では初の製品。これまでは患者から病理組織を切り取って診断していたものの、より手軽に検査できるようになります。
 肝線維化とは肝臓が損傷した細胞を修復する過程で起き、組織が固くなって機能しなくなる状態。ウイルス性肝炎や過度のアルコール摂取、脂肪性肝疾患などで起こり、進行すると肝硬変や肝不全、肝細胞がんになる可能性があります。同社が発売したケミルミTIMPー1は、血清中の「組織メタプロテアーゼ阻害物質」を測定する試薬で、同社の免疫自動分析装置「アテリカ シーアイ1900」と組み合わせて使用します。
 組織メタプロテアーゼ阻害物質とヒアルロン酸数値、プロコラーゲンⅢペプチドの値を組み合わせて「強化肝線維症(ELF)スコア」と呼ばれる数値を算出し、線維化の程度を示します。
 肝線維化の診断には患者の体内に針を入れ、肝臓の一部を切除して検査する「肝生検」という手法が主流なものの、対応できる病院が限られていることや、入院する必要があるなどの課題がありました。
 切り出す組織によっても、肝臓の線維化が進んでいるかどうか判断が分かれる可能性があるといいます。同じ症例であっても、検体を見る医師によって約4割の確率で診断が異なるなど正確な診断ができないリスクも加わります。
 血液で検査できるため、開業医などでも検査できるようになります。従来の肝生検の手法では入院が必要なため、7万円から8万円ほどかかるのに対して、安価に抑えられます。
 肝生検の検査では痛みや合併症のリスクがあるなど患者の体にも負担がかかるため、一度しか検査できません。血液による検査では同じ患者でも複数回検査ができるため、早期の病状把握につながるほか、病状の改善なども数値で追いやすくなります。
 国内ではB型肝炎やC型肝炎などウイルス性による肝疾患の割合は減少しているものの、アルコールの摂取が少ないにもかかわらず肝臓の病気が進行する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者数は増加傾向にあります。
 国内の有病率は男性が3〜4割で、女性は1〜2割ですが、検査し切れていない潜在的な患者も多く、全体では2000万人以上の患者がいると推定されています。
 非アルコール性脂肪肝炎については現在は治療薬がなく、生活習慣の改善などで進行を遅らせる対応が主流。そのため手軽な検査のニーズが低かったものの、アメリカなどでは治療薬の開発が進んでおり、実用化に向けて血液による検査の需要が高まっています。
 横浜市立大学大学院・医学研究科の中島淳主任教授は、「肝生検以外の方法でハイリスク患者を拾い上げる方法の確立が急務だった。新薬が登場した際には治療効果の評価にも使える」と期待を寄せています。

 2023年10月1日(日)

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■粉末調味料2種の回収発表 ディズニーリゾートの飲食施設で販売 [健康ダイジェスト]

 オリエンタルランドは9月30日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシー内の飲食施設で販売した商品に含まれる2種類の調味料について、一部で原材料のアレルゲンなどの表示が誤っていたとして、5144セットを回収することを発表しました。
 オリエンタルランドによりますと、9月1日から29日まで東京ディズニーランドと東京ディズニーシー内の飲食施設で販売した「シーズナルグルメチケットセット」(4000円)に付けた粉末調味料「シーズニングパウダー」の「トリュフ塩(白色)」と「マロングラッセシュガー(茶色)」のセットについて、内容物の入れ違いにより、一部に原材料のアレルゲンなどの表示に誤りのある商品があることがわかったということです。
 問題のあった粉末調味料は、東京ディズニーリゾート40周年のロゴの絵柄がプリントされた透明の包装袋に入っているもので、オリエンタルランドはこの商品5144セットの回収を決めました。
 仕入れ先の宮崎市の会社が袋詰めした際、トリュフ塩の袋に乳成分が含まれるマロングラッセシュガーが混入し、検品されないまま販売されました。
 オリエンタルランドは、乳アレルギーのある人はこのポップコーンやチュロスに振り掛けて使う粉末調味料を摂取しないよう呼び掛けています。
 9月30日時点で、購入した人から健康被害の申し出はないということです。 
 問い合わせは通話無料の特別対応窓口、電話(0120)131676。10月1日から土日祝日を含めて午前10時から午後5時まで受け付けます。

 2023年10月1日(日)           

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■コロナ治療薬、1日から有料 3000円から9000円の自己負担 [健康ダイジェスト]

 これまで全額公費負担だった高額な新型コロナウイルスの治療薬代が、10月1日から有料となります。医療費の窓口負担割合に応じて3000円から9000円の自己負担が生じ、支払額に上乗せされます。医療機関を受診した人が混乱しないよう厚生労働省は周知を徹底したいとしています。
 有料となる薬は抗ウイルス薬のラゲブリオやパキロビッド、ゾコーバなど。10月以降は薬の種類にかかわらず、医療費の自己負担が3割の人は9000円、2割の人は6000円、1割の人は3000円を上限に自己負担が生じます。
 厚労省の想定では、75歳以上で1割負担の人が医療機関で診察を受けた場合、これまでは診察料や調剤料などで窓口での支払額は1000円程度でしたが、治療薬代3000円が上乗せされます。
 1人分の薬価はラゲブリオ約9万4000円、パキロビッド約9万9000円、ゾコーバ約5万2000円で、インフルエンザ治療薬のタミフル約2000円、ゾフルーザ約5000円と比較して高額です。

 2023年10月1日(日)

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