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■16歳男子と40歳代女性で体力低下傾向 スポーツ庁が「体力・運動能力調査」 [健康ダイジェスト]

 スポーツ庁が8日に公表した2022年度の「体力・運動能力調査」で、週3日以上、時間をかけてスポーツをする習慣があると、中高年は生活の充実度が高く、若年層は物事をやり遂げる意欲が高い傾向があることが、明らかになりました。40歳代では、頻繁にスポーツをする人の4割強が「毎日の生活が充実している」とした一方、ほぼスポーツをしない人は2割弱にとどまりました。 
 調査は1964年の東京オリンピック以降、毎年実施。今回は2022年5~10月、全国の6~79歳の計5万6365人が参加しました。握力測定や上体起こし、立ち幅跳び、50メートル走などの体力テストを受けてもらい、日々のスポーツ習慣や自身の健康状態に対する認識についても尋ねました。
 参加者のうち、9歳(小学4年生)、16歳(高校2年生)、40歳代、70歳代は、体力テストの成績と運動習慣の関連などを分析しました。
 それによりますと、スポーツを「週3日以上で各1時間以上」する習慣があった人は、テストの成績を点数化した「体力合計点」が、全世代の男女で平均値を上回りました。
 成人の分析を見ると、40歳代の男性は、頻繁にスポーツをする人(週3日以上で各1時間以上)で、毎日の生活が「充実している」と答えた割合が41・9%に上りました。
 一方、ほとんどスポーツをしない人(週1日未満で各30分未満)では、「充実している」が18・4%にとどまるとともに、「あまり充実していない」「全く充実していない」との回答が合わせて17・3%となり、頻繁にスポーツをする人(3・2%)を大きく上回りました。40歳代女性、70歳代の男女もほぼ同じ傾向でした。
 調査の分析に携わった放送大の関根紀子教授(運動生理学)は、スポーツをする習慣と生活の充実度との因果関係ははっきりしないとしつつ、「運動で目標を達成できれば、充実感を得られることもある。(スポーツ習慣と生活の充実度の)どちらが先かはわからないが、互いに関係し合っているのではないか」と話しています。
 16歳では、スポーツの頻度と物事をやり遂げる意欲の関係について分析。頻繁にスポーツをする人(週3日以上で各2時間以上)では、「何でも最後までやり遂げたいと思うか」との質問に対し、「とてもそう思う」と答えたのは男子で48・4%、女子で60・4%に上りました。一方、スポーツが週1日未満で各1時間未満の人では、男女とも20%台でした。
 また、小学校入学前に外遊びをした経験の多かった9歳男女は、スポーツに親しんでいるケースが多くなりました。70歳代の男女でほぼスポーツをしない人は、「あまり健康でない」と答える割合が高くなりました。
 今回の調査では、握力や上体起こしなど8つの項目について、16歳の男子の「体力合計点」が低下傾向であることがわかりました。
 今回の調査結果を分析した順天堂大学大学院の内藤久士教授は、「部活動などで日ごろよく運動をしていた年代がコロナ禍で練習時間の制限などを受けたことが一因の可能性がある」としています。
 また、40歳代女性についても、直近10年間で体力や運動能力が低下傾向にあることがわかりました。40歳代女性の体力テストの成績は上体起こしや立ち幅跳びなどほとんどの項目と「体力合計点」で低下傾向にあり、「週に1日もスポーツをしない」と答えた割合は5割を超えました。
 現在、40歳代に当たる女性は、「若いころからあまり運動をしていない世代がそのまま年を重ねている」ということで、スポーツ庁は「40歳代の女性は家事や子育ての負担が大きく運動を行う場所も十分に整っていない」と分析し、「周知啓発や環境整備を図り、女性のスポーツ実施の促進を図っていきたい」としています。

 2023年10月8日(日)

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■静岡市の化学工場で10年前までPFAS使用 工場付近の水路など6地点調査へ [健康ダイジェスト]

 静岡市は、有害性が指摘されている化学物質の「PFAS(ピーファス)」について、かつて使用していた市内の化学工場近くの水路など合わせて6つの地点で、10月末までに調査を行うことを決めました。
 有機フッ素化合物のPFASを巡っては、一部の物質で有害性が指摘され、静岡県内では、浜松市にある航空自衛隊浜松基地周辺の川や水路で国の暫定の目標値を上回る高い濃度で検出されています。
 これを受けて静岡市では9月、市内の大規模な事業所約10社を対象に、過去にPFASを使用していたかどうか、聞き取り調査を行いました。
 その結果、東京都に本社を置く「三井・ケマーズフロロプロダクツ」の清水区三保の清水工場から、「PFASの一種PFOA(ピーフォア)を2013年以前は使用していたが、この年の12月までに使用を取りやめた」と回答があったということです。清水工場ではフッ素樹脂を製造しています。
 アメリカにあった親会社からの要請で清水工場では2008年から2010年にかけ、一部の従業員に対して血液検査を実施しました。
 会社側は検査結果を公表していませんが、アメリカのロバート・ビロット弁護士が裁判の過程で入手した資料によりますと、延べ24人の従業員に対し血液検査が行われていました。
 その結果、24人全員の血中に含まれるPFOAの値がアメリカの学術機関が示す「指標値」を上回り、中には418倍の値が検出された従業員もいました。
 会社側はこれまでに従業員の健康被害は報告されていないとしています
 清水工場からの回答を受けて静岡市では、工場近くの水路と、安倍川や巴川など市内を流れる5つの河川の合わせて6つの地点で、10月末までに水質検査を行うことを決めました。
 市は11月末までをめどに、結果を公表することにしています。
 一方、市はPFASについて、2020年から水道水の調査を行っていますが、これまでに調べた8つの地点では、暫定の目標値を下回っているということです。

 2023年10月8日(日)

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