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■アメリカでも性感染症急増、性行為後の抗生物質「ドキシサイクリン」服用推奨へ [健康ダイジェスト]

 性感染症(STD)のクラミジア感染症と淋菌(りんきん)感染症(淋病)、梅毒の感染者急増を受け、アメリカ疾病対策センター(CDC)は2日、ばく露後予防(PEP)として一般的な抗生物質を性行為後の内服薬として処方するよう医師に推奨することを提案しました。一方、抗生物質の使用拡大によって薬が効かない耐性菌の増加を懸念する声もあります。
 コンドームなしで性行為をした同性愛者・両性愛者の男性やトランスジェンダー女性を対象とする臨床試験では、ばく露後予防としてドキシサイクリンを服用する「ドキシPEP」という用法によって各感染症の発症リスクが低減することがわかりました。
 広範囲に推奨すると耐性菌が増加する恐れがあることから、CDCのガイドライン案は、こうした高リスク群のみを対象とし、性行為後72時間以内にドキシサイクリン200ミリグラムを1錠、経口投与するよう推奨しています。
 アメリカのクラミジア、淋病、梅毒の感染者は約10年間右肩上がりで、2021年にはさらに感染が拡大し250万人に達しました。
 こうした背景には、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染リスクを大幅に低減する薬を毎日服用するばく露前予防(PrEP)の用法が誕生して以来、コンドームの使用率が減少していることが挙げられます。
 ほかの要因として考えられるのが、ばく露前予防薬を服用している場合は3カ月ごとに健康診断を受けるよう推奨されているため、感染判明数が増加していることです。
 さらに疫学上、感染者数が増えれば増えるほど感染が拡大しやすくなります。
 ドキシサイクリンのばく露後予防の臨床試験では、4回のうち3回で有効性が認められました。
 アメリカの臨床試験を主導した一人、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医師で研究者のアニー・ルークマイヤー氏は、サンフランシスコとシアトルで同性愛者・両性愛者の男性とトランスジェンダー女性を約500人募集して臨床試験を実施し、「3カ月ごとの確認で性感染症が約3分の2減少していた」と説明しています。
 ドキシサイクリンの有効性はクラミジアと梅毒で非常に高く、いずれも約80%減少し、淋病は約55%減少しました。副作用はほとんどみられませんでした。
 ドキシサイクリンの服用が増えることで、特に突然変異が起こりやすい淋病で既存の抗生物質への耐性が生じることが懸念されています。しかし、初期段階の研究では懸念材料はないとされます。

 2023年10月3日(火)

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■プール熱の患者報告数が減少に転じる 専門家「さまざまな感染症に注意が必要」 [健康ダイジェスト]

 子供を中心に感染する「咽頭結膜熱」、いわゆる「プール熱」は、患者が多い状態となって5週連続で増加していましたが、最新のデータでは前の週より患者の数が減少に転じました。専門家は「今年は引き続きさまざまな感染症に注意が必要だ」と指摘しています。
 「咽頭結膜熱」、いわゆるプール熱は、子供を中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。
 国立感染症研究所によりますと、9月10日から24日までの1週間に全国約3000の小児科定点医療機関から報告された患者の数は4126人で、前の週よりも400人余り減りました。1医療機関当たりでは、前の週より0・14人少ない1・31人となりました。過去10年で2番目に多い患者数です。
 地域別では、福岡県が4・44人、沖縄県が3・61人、大阪府が3・55人と国の警報レベルの目安となる「3」人を超えていて、このほか、佐賀県が2・39人、大分県が2・36人などとなっています。
 子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「プール熱はピークを超えたと思うが、今年はほかにもさまざまなウイルス感染症が交錯している状況で注意が必要だ。すでにインフルエンザの流行が始まっている地域もあるので、親も子もワクチンを打つなど対策をとってほしい」と話しています。

 2023年10月3日(火)

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■武田薬品のワクチンをWHOが推奨 デング熱流行地域の6~16歳に接種を [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)は2日、武田薬品工業が開発したデング熱ワクチン「QDENGA(キューデンガ)」について、デング熱が大規模流行している地域で6~16歳の子供への接種を推奨すると発表しました。QDENGAはヨーロッパ連合(EU)やインドネシア、ブラジルなどではすでに承認済み。
 蚊が媒介するウイルス感染症のデング熱は近年、感染者が増加しており、地球温暖化も要因となって確認地域も拡大しています。QDENGAは初回接種の3カ月後に、2回目を受けるようWHOは求めています。9月下旬に開かれた専門家による諮問委員会の協議結果を踏まえて決定しました。
 デング熱はアフリカやアジア、中南米での流行拡大が懸念されており、専門家はQDENGAについて「幅広い使用の可能性を秘めた最初のデング熱ワクチンだ」と述べました。 
 WHOはまた、イギリスのオックスフォード大が開発したマラリアのワクチン「R21」の子供への接種を推奨すると発表しました。
 蚊が媒介するマラリアは、アフリカの幼い子供を中心に毎年50万人もの死者を出しています。マラリアのワクチンは、すでにWHOによって承認されたものがありますが、現在世界的な需要に供給が追い付いていないということで、WHOとしては新たなワクチンの承認によって普及を後押ししたい考えです。

 2023年10月3日(火)

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■フランスでトコジラミ大発生 政府、オリンピック向け駆除作戦 [健康ダイジェスト]

 フランスの公共交通機関や空港などで「南京虫」の名前で知られる害虫の「トコジラミ」の発生が相次いで報告され、社会問題となっています。殺虫剤への耐性が高まったことなどが背景とみられます。国内外からの多くの観客が予想される来年7月のパリ夏季オリンピック開催まで1年を切る中、政府は深刻な問題だとして駆除作戦に乗り出しました。
 地元メディアによると、ここ数週間、パリの地下鉄や高速列車TGV、空港の待合室、映画館、病院などでトコジラミの発生が報告されました。すべてが確認されたわけではないものの、ソーシャルメディア上に列車や地下鉄をはい回るトコジラミの映像が公開され話題となっています。
 事態を重く見たパリのエマニュエル・グレゴワール副市長は9月下旬、エリザベット・ボルヌ首相に書簡を送り「来年にオリンピック・パラリンピック開催を控える中、国はこの災いに見合った行動計画を早急に策定する必要がある」と訴えました。
 これを受け、クレマン・ボーヌ交通担当相は9月29日、対策を話し合うため近く交通事業者と面会すると約束しました。
 トコジラミはフランスでは1950年代までにほとんどいなくなっていましたが、ここ数十年は、人口密度の上昇と大量輸送機関での移動の機会が増えたことなどで再び増加しています。
 トコジラミの問題が生じた世帯はここ数年、全体の10分の1に上っているとみられます。通常、駆除には数百ユーロかかり、多くの場合、何度も行う必要があります。
 トコジラミは、マットレスに卵を産み付け、生息する習性があることから名付けられましたが、衣服や荷物の中にも入り込み、夜になると出てきて人の血を吸います。
 フランスの衛生当局は、旅行の際はホテルのベッドを点検し、中古の家具やマットレスを自宅で使用する時は注意するよう呼び掛けています。また、自宅で発見した場合は、直ちに影響を受けた部屋の駆除作業を行わなければならないとしています。
 血を吸われると、皮膚に赤みや水疱(すいほう)、大きな発疹ができ、場合によって激しいかゆみやアレルギー反応を起こします。精神的苦痛や睡眠障害、不安、うつ病を引き起こすこともあります。
 フランス当局によれば、トコジラミの発生は衛生状態とは関係ありません。

 2023年10月3日(火)

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