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■刺激が多い環境で育つと、賢くなるたんぱく質が増加 東大教授ら解明 [健康ダイジェスト]

 周りに多くの仲間がいたり、物に囲まれたりして刺激が多いほど脳の働きが活発になる仕組みを、東京大学の広川信隆・特任教授(細胞生物学)の研究チームがマウスを使った実験で解明しました。23日付の米医学誌ニューロンに発表しました。
 刺激が多いと、学習の効果や記憶力が良くなることは、人を含めさまざまな動物を使った実験で示されています。しかし、こうした現象が起きる時、脳の神経細胞や生命活動を担うたんぱく質の働きがどう変化しているかは十分解明されていませんでした。
 研究チームは、刺激の多い環境の典型とされるはしごなど数種類の道具のある箱に15匹のマウスを入れて4週間飼育しました。同時に、刺激の乏しい環境として、遊び道具のない箱で3匹のマウスを同期間、飼育しました。その後、学習や記憶力の推移、両機能をつかさどる海馬の神経細胞の状態やたんぱく質の働きを調べました。
 刺激の多い環境で育ったマウスは、刺激の乏しい環境で育ったマウスに比べ、迷路でゴールにたどり着くまでの時間が回を重ねるごとに短縮されることが確認されました。さらに、グルタミン酸などの神経伝達物質を運ぶ「KIF1A」、神経細胞の成長を促す「BDNF」の2種類のたんぱく質の働きがいずれも、刺激の乏しい環境で育ったマウスの約1・7倍に活発化していました。
 また、2種類のたんぱく質の関係を詳細に解析すると、刺激に反応したBDNFがKIF1Aの働きを刺激し、KIF1Aが海馬の神経細胞の成長を促していることも判明しました。
 広川教授は、「KIF1Aとそれを作る遺伝子は人間にもあり、機能を増強できれば、記憶や学習障害を改善できる」と話す。

 2012年3月1日(木)




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