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■糖質制限食、糖尿病患者には勧められず 糖尿病学会、初の見解 [健康ダイジェスト]

 糖尿病の治療として一部で行われている炭水化物を極端に制限する「糖質制限食」について、日本糖尿病学会は「長期的に行った場合の安全が確認されておらず、現時点では勧められない」とする初めての見解を示しました。
 日本糖尿病学会の見解は19日午前、厚生労働省の食事摂取基準に関する検討会で説明されました。
 2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足といった生活習慣などがもとで血糖値が高い状態が続く病気で、重症化すると目の血管が傷付いて失明したり、動脈硬化につながったりします。患者と、その疑いがある人は合わせて、およそ2200万人に上ると推計されています。
 治療は主に食事の見直しや運動ですが、一部の医療機関などで、減量のため、ご飯やパンなどの炭水化物のみを極端に制限する糖質制限食が行われていて、これに対して「脂肪やタンパク質の取り過ぎにつながる」という声が上がり、専門家の間で議論になっていました。国立国際医療研究センター病院などは1月、糖質制限食を5年以上続けると死亡率が高まる可能性があるとする論文を発表しています。
 糖質制限食の有効性については賛否が分かれる中、日本糖尿病学会は海外の論文などを分析した上で、学会として初めて見解を示しました。
 見解によりますと、短期的に体重が減っても長期的にはコレステロールの値が悪くなったという報告や、心臓病のリスクが高まることを示す研究があるとして、全体のエネルギー摂取量を制限しないで、糖質のみ制限することについて、「長期的に行った場合の安全性などを担保するエビデンス(科学的な根拠)が不足しており、現時点では勧められない」としています。
 その上で、1日に取るカロリーのうち、炭水化物で全体の50〜60パーセント(1日150グラム以上)を取るのが妥当としました。運動量が多い場合などは、炭水化物の量を増やすことも検討できるといいます。
 見解をまとめた日本糖尿病学会の宇都宮一典理事は、「自己流で炭水化物を制限している人もいるが、これまで国内での研究はほとんどなく、長期的な検証が必要だ」と話しています。

 2013年3月20日(水)




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