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■メタボ検診、システム不備で十分活用できず 厚労省が28億円で導入、改修に2億円 [健康ダイジェスト]

 「メタボ健診」を受けたすべての人のデータを蓄積して、医療費の抑制につなげようと厚生労働省が整備したシステムに設計ミスがあり、およそ2割の人のデータしか活用できない状態だったのに、運用が開始されて6年経った今も改修されていないことが、会計検査院の調べでわかりました。
 このシステムは厚労省が約27億9千万円をかけて導入し、2009年から運用している「ナショナルデータベース」で、メタボ健診を受ける毎年2000万人以上のすべての健診データと、医療機関などが請求した診療報酬明細書のデータが合わせて100億件近く、個人が特定できないよう、氏名や生年月日、健康保険証の番号などの個人情報を暗号化する処理が行われた上で、蓄積されています。
 厚労省はこのベースを突き合わせてメタボリックシンドロームの人がどのような病気になり、いくら医療費がかかっているかを分析し、医療費の抑制につなげる対策を打ち出すことを目指しています。
 しかし、会計検査院によりますと、同じ人のデータでも健康保険証の番号などが半角文字と全角文字といった異なる形式で提供されると、暗号化した際に同じ人のものと認識されなくなるなどの設計ミスがあり、2011年度からの2年間ではメタボ健診を受けた人のおよそ2割しかデータを突き合わせできなかったということです。
 国は昨年度までの7年間にメタボ健診に約1257億円の補助金を投入していますが、その効果の検証にもシステムを十分活用できない事態となっています。
 厚労省は3年前には突き合わせ率が低いことを把握しましたが、原因がわからず改修していなかったということで、会計検査院はシステムを改修するよう求めました。
 厚生労働省は、「データを有効に活用できるように約2億円をかけ改修を進めている」とコメントしています。
 医療情報システムに詳しい東京大学大学院の山本隆一特任准教授は、「蓄積されたデータは膨大な量なので改修しても過去に逆上って分析できるようになることは期待できない。設計段階や完成してテストする段階で徹底的にチェックすべきで厚生労働省の対応が甘かったといわざるをえない。今後の我が国の医療を中心とする社会保障を考えていく上で大事なデータベースなのでもっと性能を上げないといけない」と指摘しています

 2015年9月8日(火)

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