■用語 兎眼 [用語(た行)]
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兎眼(とがん) とは、顔面神経まひが原因で、目を閉じることができなくなり、目の表面が乾燥する疾患。
兎眼はその字の通り、兎(うさぎ)の目という意味です。兎は、その目が外敵から身を守るのに都合よくできていて、まばたきの回数が人間より大変少ないため、いつも開いているように思われています。人間が兎眼を生じると、意識してまぶたを閉じようとしても薄目を開けている状態になり、本当にいつも目を開いていることになります。
目は、常に外界と接して空気にさらされているために乾燥したり、ほこりが付いたりします。そこで、まばたきというまぶたの動きによって、常にその表面を涙で湿らして、ほこりを取り除き、細菌などの侵入を防いでいますので、いつも目を開いていると、目の表面が乾燥したり、黒目の表面を覆う角膜に傷が付いたりします。
兎眼の初期には、睡眠中だけに症状が現れる夜間性兎眼がみられます。睡眠中にまぶたを完全に閉じることができないため、涙で目を十分に潤すことができず、翌朝目覚めた際には目の表面が乾燥していて、不調を感じます。しかし、日中はまぶたを閉じることができるため、兎眼に気付かない場合もあります。
日中もまぶたを閉じることができず、目が常に開いている状態になると、目の表面が強度に乾燥し、ごろつき感や痛みを生じます。
さらに、目の表面が乾燥したまま放っておくと、角膜の傷が常態化するばかりか、点状表層角膜症や角膜混濁を生じ、極端な例では角膜潰瘍(かいよう)を生じ、視力の低下を引き起こすこともあります。細菌や、かびの一種の真菌、ウイルスなどの感染を伴い、重症となることもあります 。
兎眼の主な原因は顔面神経まひであり、単純性疱疹(ほうしん)、帯状疱疹などのヘルペスウイルス感染症で、一般的には口唇ヘルペスを患ったことがある人が急性あるいは亜急性に、顔面神経まひを発症し、上下のまぶたの開閉にかかわる眼輪筋がまひで動かなくなるため、兎眼を合併します。症状は普通、片側だけの目に起こります。まれには、両側の目に起こります。
ほかには、脳梗塞(こうそく)や脳腫瘍(しゅよう)の部分症として顔面神経まひを発症したり、ベルまひといって原因ははっきりしていないもののヘルペスウイルスによる場合が多いと推定されている顔面神経まひを発症したりして、兎眼を合併します。
まれには、外傷後のまぶたの傷跡による閉瞼(へいけん)障害によって、兎眼を起こすこともあります。
兎眼の症状に気付いたら、原因の治療が必要ですので、眼科の専門医を受診することが勧められます。
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眼科の医師による診断では、顔面神経まひの原因を調べるために、頭部のCT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行います。
眼科の医師による治療では、顔面神経まひを治すことを第一とします。目に関しては、顔面神経まひの症状が軽快してくるまでの間、目の表面が乾燥するのを防ぐため、軽症では、防腐剤を含んでいない人工涙液を頻回に点眼します。
中等症では、抗菌剤眼軟こうを入れて眼帯をします。重症の兎眼では、目を閉じた上から透明な専用保護膜を張ったり、角膜に穴が開く危険性があったり痛みが強い場合には、上と下のまぶたを一時的に縫い合わせたりします。
睡眠中だけに症状がみられる夜間性兎眼の場合は、睡眠時のみ、抗菌剤眼軟こうを塗ることで対応することが必要です。
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