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■睡眠を制御する2遺伝子を発見、筑波大など 睡眠障害などの治療への応用も [健康ダイジェスト]

 睡眠と覚醒の制御に重要な役割を果たす2つの遺伝子を、筑波大学やアメリカのテキサス大学などの研究チームが世界で初めて発見したと発表しました。今後、睡眠障害などの治療への応用が期待されます。
 この遺伝子を発見したのは、茨城県つくば市にある筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長と船戸弘正教授などの研究チームです。
 研究チームは6年前から、化学物質を使って無作為に遺伝子に変異を起こした8000匹のマウスの中から、脳波や筋電図などを分析して、睡眠時間が極端に長いグループと、浅い眠りのレム睡眠時間が大幅に短いグループを抽出。2つのグループに共通の遺伝子変異がないかを調べました。
 その結果、過眠症のグループでは、細胞内でさまざまな情報を伝達している「Sik3」と呼ばれる遺伝子が変異していたことを突き止めました。また、「Nalcn」と呼ばれる遺伝子が変異すると、浅い眠りのレム睡眠の時間が大幅に減少し、目覚めやすくなっていたということです。
 人間を含む哺乳類や鳥類は通常、体の骨格筋は脱力して休んでいるが脳は覚醒に近い状態で活動している浅い眠りのレム睡眠と、より深い眠りのノンレム睡眠を繰り返してから目覚めます。Sik3遺伝子はノンレム睡眠の必要量を決めており、Nalcn遺伝子はレム睡眠の終了に関与していると考えられるといいます。また、Sik3遺伝子は、ショウジョウバエや線虫でも睡眠に似た状態を制御していることがわかりました。 
 研究チームによりますと、これまで睡眠と直接かかわる遺伝子は見付かっていなかったということで、今後、睡眠と覚醒を切り替える仕組みの解明が進み、将来は人間の睡眠障害などの治療法改善につながると期待されます。
 筑波大学の柳沢機構長は、「睡眠や覚醒に関与する遺伝子をさらに発見していきたい」と話しています。
 この研究成果は、イギリスの科学雑誌、ネイチャーの電子版に3日付で掲載されています。

 2016年11月5日(土)

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