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■がん拠点84病院で保険外の免疫療法を実施 厚労省調査 [健康ダイジェスト]

 がん診療の拠点病院の一部で、効果が確認されておらず保険診療が適用されていない免疫療法が実施されていたことを受けて、厚生労働省が実態調査した結果、全国の84の病院が実施していたことがわかりました。
 厚労省は、がんの拠点病院では効果が確認された標準治療を行うことが原則としていて、免疫療法を行う場合は効果を検証する臨床研究の枠組みで実施すべきだとしていますが、5つの病院はこれに該当せず、全国の拠点病院に対し臨床研究以外では原則、行わないよう求めることにしています。
 がん診療の拠点病院は地域の中核として質の高い診断や治療を行う医療機関として、厚労省が全国434の病院を指定しており、治療の診療報酬が加算されたり、国や都道府県から補助金を受けたりしています。
 この拠点病院の一部で、治療の効果が国によって確認されておらず、保険診療が適用されていない免疫療法が実施されていたことが明らかになり、厚労省が実態調査を行って、29日に開かれた検討会で結果を報告しました。
 報告によりますと、今年9月の時点で全国84の拠点病院が、保険診療が適用されていない免疫療法を自由診療として実施していました。うち79の病院は臨床研究の枠組みで行ったと回答していますが、残りの5つの病院は臨床研究ではなく、患者の依頼を受けたことなどから実施したとしています。
 厚労省は近く、全国の拠点病院に対し、効果を検証する臨床研究以外では原則、免疫療法を行わないよう求めることにしています。
 体の免疫機構を利用してがん細胞を攻撃する免疫療法は、手術や抗がん剤、放射線に続く第4の治療として注目され、研究が活発に行われています。一方で、一部の医療機関では、効果の期待できない免疫療法を研究以外の目的で高額で提供しているとの批判もあります。
 厚生労働省の検討会のメンバーで、国立がん研究センターの若尾文彦医師は、「がん診療の拠点病院では科学的根拠に基づいた医療を提供することが必要で、そうでないものはあくまで研究として行い、有効性が確認できたかどうか、結果をきちんと公表すべきだ。また、臨床研究であっても患者が高額な治療費を支払うケースがあり、それが妥当かどうか議論が必要ではないか」と話しています。

 2017年11月29日(水)

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