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■「カレーを鍋のまま保存」する人が半数近く 食中毒への理解不足、調査で判明 [健康ダイジェスト]

 暑い季節は食中毒の発生が懸念されますが、東京都が行った実態調査で、回答者の半数近くがカレーを鍋のまま冷蔵や常温で保存するなど、食中毒対策への理解不足が明らかになりました。東京都は「日々の食事に食中毒の危険があることを認識してほしい」と注意を呼び掛けています。
 調査は年明けに、東京都内に住む20~79歳の男女を対象に実施し、週1回以上自宅で調理する1000人から回答を得ました。
 調査では、食中毒予防について6割強の人が生肉の水洗いや常温での解凍、解凍後でも再凍結すれば「効果がある」と答えましたが、東京都によるといずれも誤り。生の鶏肉はカンピロバクター菌が付着している場合、水洗いで菌を周囲に飛び散らせてしまう可能性があります。肉や魚を常温で解凍するケースでは、中心部の解凍を待つ間に表面の菌が増殖する恐れがあり、再凍結しても菌は死滅しないといいます。
 8割を超える人が酢や梅干し、わさびに殺菌効果があると考えていましたが、菌増殖を防ぐには食べ切れぬほどの量が必要。調理前の手洗いは基本なものの、実施しているのは女性8割、男性6割にとどまりました。
 気温の高い夏場は一晩寝かせたカレーも要注意。カレーやシチューなどとろみがあって冷めるのに時間がかかる料理は、腹痛や下痢を引き起こすウェルシュ菌が増殖しやすくなります。温度12~50度で増殖し、臭いなどの変化はなく、菌の一部は再加熱しても死滅しません。予防には底の浅い容器に小分けにして素早く粗熱をとり、冷蔵や冷凍で10度以下に急冷する必要があります。
 東京都健康安全研究センターの実験によりますと、調理したカレーに1グラム当たり1000個のウェルシュ菌が残っていると、室温のまま冷ました場合は、5時間後に100万個以上に菌が増えた一方、2時間で急速に温度を下げた場合は、5時間も菌は増殖しなかったということです。
 また、一晩寝かせたカレーを温め直す場合には、ウェルシュ菌が空気を嫌うため、電子レンジではなく、鍋でしっかり混ぜ、空気中の酸素を加えながら、むらがないように加熱することが大切だとしています。
 東京都民3000人から回答を得た昨年11月の予備調査では、普段の食事で気を使っていることについて、半数が「栄養バランス」と回答し、「食中毒予防」と答えた人は22%でした。食中毒の経験者は25%でした。
 東京都健康安全研究センターでは、「食中毒発生の危険が身近にあることを理解し、正しい知識を身に着けてほしい。実践することでリスクは回避できる」と呼び掛けています。

 2018年7月14日(土)

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