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■厚労省、再生医療の監視強化へ 効果未確認のがん免疫療法も対象 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、再生医療など細胞を用いる治療の監視体制を強める方針を決めました。効果がはっきりと確認されていない多くの「がん免疫療法」も対象となります。
 医療機関が事前審査の内容と大きく異なる治療をした場合、国が把握できる仕組みにして、審査の議事録などをウェブ上に公開させて透明性を高めます。
 がん免疫療法を巡っては、今年のノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった、京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授の研究を基に開発された「オプジーボ」などの免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる薬による治療が近年、登場。一部のがんに公的医療保険が適用されています。免疫チェックポイント阻害剤は細胞を用いないため、再生医療安全性確保法が規制する免疫細胞を用いた治療法とは別の手法ながら、ひとくくりで「免疫療法」と混同されることもあります。
 細胞を用いる治療は、2014年施行の再生医療安全性確保法で規制されました。iPS細胞の登場を契機に、患者の安全を確保しながら再生医療を発展させる目的に加え、患者自身の細胞を使う根拠が不明瞭な免疫療法や美容分野の医療に網をかける狙いもありました。
 同法のもと、医療機関は治療の計画をつくり、病院や民間団体が設ける第三者の審査委員会に審査させます。ただし、審査の狙いは安全性の確保で、効果は保証していません。iPS細胞などを用いる「第1種」と比べ、患者の細胞を集めて使うがん免疫療法などの「第3種」は、審査委員会の要件が緩く、国のチェックを受けずに実施できます。
 東海大学の佐藤正人教授(整形外科)の調査によると、第3種のがん免疫療法の届け出は、今年3月までに民間クリニックなどで1279件に上っています。公的医療保険が適用されない自由診療で行われているため、高額な治療費を請求する施設もあり、問題視されています。
 同法の省令改正案では、計画に反する事態が起きた時の対応手順を新たに設け、治療に携わる医師に、医療機関の管理者への報告を義務付けます。重大なケースは速やかに審査委員会の意見を聞き、審査委員会で出た意見を厚労省に報告させます。これまで努力義務だった苦情を受け付ける窓口の設置は、義務とします。また、審査委員会の要件を厳しくし、第3種では、計画審査を頼んだ医療機関と利害関係のない委員の出席数を現在の2人以上から過半数とします。審査の議事録などはウェブ上に公開させる方針。
 厚労省は19日に専門家会合を開き、早ければ省令を今月中にも改正、公布します。

 2018年10月8日(月)

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