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■人体からもマイクロプラスチックを検出 日本など世界の8人を調査 [健康ダイジェスト]

 ヨーロッパとロシア、日本の被験者を対象にした調査で、それぞれの排せつ物から微小なプラスチック片「マイクロプラスチック」が検出されたことが23日、発表されました。食物連鎖の中にプラスチックが広く存在することを示した初の調査結果だといいます。
 オーストリア・ウィーンで開催中の胃腸病学会議で発表された結果によると、小規模の予備的研究に参加した日本、イギリス、イタリア、オランダ、オーストリア、ポーランド、フィンランド、ロシアの各1人、計8人のボランティア被験者全員が数種類のプラスチックを排出しており、排せつ物10グラム当たり平均20個のマイクロプラスチックが検出されたといいます。
 被験者の直前1週間の食事の記録をみると、いずれもプラスチック包装された食べ物やプラスチックボトル入りの飲み物を飲んでいました。ベジタリアンはおらず、6人は海産物を食べていました。
 マイクロプラスチックは大きさが50~500マイクロメートルで、海産物、食品包装材、ほこり、ペットボトルなどを経由して体内に取り込まれた可能性があると、研究チームは推測しています。
 1マイクロメートルは1000分の1ミリ。人毛の直径は約50~100マイクロメートルです。
 サンプルの分析を行ったオーストリア連邦環境庁の研究者ベティーナ・リープマン氏によると今回、9種類の異なるプラスチックを検出したといいます。
 最も多く検出されたのは、ペットボトルのふたや梱包用ロープなどに使われているポリプロピレン(PP)と、飲料水のボトルや繊維素材などに使われているポリエチレン・テレフタレート(PET)の2種でした。
 この2種とポリスチレン(使い捨て食器やカップ、保冷容器など)とポリエチレン(レジ袋など)を合わせると、今回検出されたマイクロプラスチック全体の95%以上を占めました。
 研究を主導したオーストリア・ウィーン医科大学のフィリップ・シュワブル氏は、「今回の研究では、栄養に関する(体の)働きとマイクロプラスチックへの暴露との確実な関連性を実証することはできなかった」と述べました。
 動物に関する過去の研究では、マイクロプラスチックの濃度は胃腸内が最も高かった一方、少量のマイクロプラスチックが血液、リンパ液、肝臓などからも検出されていました。
 シュワブル氏は、「マイクロプラスチックを巡っては、炎症反応の切っ掛けとなったり、有害物質として吸収されたりすることによって、消化管に損傷を与える恐れがあるとの初期的な兆候がみられる」と指摘しながら、「人体に対するマイクロプラスチックの潜在的な危険性を評価するためには、さらに研究を重ねる必要がある」と続けました。

 2018年10月24日(水)

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