■自治医科大、難病「AADC欠損症」を遺伝子治療で改善 寝たきりから歩行器利用可も [健康ダイジェスト]
自治医科大学は23日、生後寝たきりになる子供の難病「芳香族Lアミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症」の患者6人に遺伝子治療を実施し、全員で症状が改善する効果があったと発表しました。2019年にも実用化に向けて厚生労働省へ医薬品の承認を申請します。
研究成果をイギリスの科学誌「ブレイン」(電子版)に掲載しました。
AADC欠損症は、遺伝子異常で脳内の情報伝達物質が作れなくなります。運動機能がほぼ失われ、患者の多くは一生涯を寝たきりで過ごします。世界で140人ほどの患者がいると見なされています。
遺伝子治療は2015~2017年にかけて、国内で診断された4歳~19歳の6人の患者で試みました。情報伝達物質の合成に必要なAADCの遺伝子をウイルスに組み込み、脳内の運動を調節する部位に注射。
2年間にわたって経過をみたところ、重症の5人は手を動かしたり首がすわった状態を維持したりできるようになり、うち3人は自力で歩行器歩行や背はい移動が可能となりました。歩行に手助けが必要だった1人も自力で走り、自転車やブランコに乗ることも可能となるまでに回復し、話す能力も改善しました。治療による大きな副作用は発生しませんでした。
自治医科大は2018年から、新たに2人の患者にも同様の遺伝子治療を続けており、順調に経過しています。AADC欠損症と診断されている患者は他に日本に2人おり、また、海外からの治療希望者も10人以上いるといいます。
2019年1月30日(水)
研究成果をイギリスの科学誌「ブレイン」(電子版)に掲載しました。
AADC欠損症は、遺伝子異常で脳内の情報伝達物質が作れなくなります。運動機能がほぼ失われ、患者の多くは一生涯を寝たきりで過ごします。世界で140人ほどの患者がいると見なされています。
遺伝子治療は2015~2017年にかけて、国内で診断された4歳~19歳の6人の患者で試みました。情報伝達物質の合成に必要なAADCの遺伝子をウイルスに組み込み、脳内の運動を調節する部位に注射。
2年間にわたって経過をみたところ、重症の5人は手を動かしたり首がすわった状態を維持したりできるようになり、うち3人は自力で歩行器歩行や背はい移動が可能となりました。歩行に手助けが必要だった1人も自力で走り、自転車やブランコに乗ることも可能となるまでに回復し、話す能力も改善しました。治療による大きな副作用は発生しませんでした。
自治医科大は2018年から、新たに2人の患者にも同様の遺伝子治療を続けており、順調に経過しています。AADC欠損症と診断されている患者は他に日本に2人おり、また、海外からの治療希望者も10人以上いるといいます。
2019年1月30日(水)
コメント 0