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■破折を原因とする抜歯が11年で倍加 背景に歯ぎしり、かみ締め [健康ダイジェスト]

 歯が割れたり折れたりする「破折」を原因とする抜歯が11年で倍加したことが、長野県伊那市の上伊那歯科医師会の調査で明らかになりました。背景にあるのは「歯ぎしり」や「かみ締め」の癖とみられ、同会は「特にかみ締めは無意識でしていることが多い。まず気付いて」と呼び掛けています。啓発の第一歩として近くポスター1000枚を作り、長野県内各所に貼り出します。
 調査期間は2016年6~8月の41日間。上伊那8市町村の56歯科医院で抜歯した患者のうち、調査に同意した804人からデータを集めました。
 集計結果を見ると、抜歯原因の1位は虫歯で29%、続いて歯周病が26%、親知らず24%、破折20%。2005年に8020推進財団が行った全国調査と比べ、顕著だったのは破折の多さです。11年前に11%だった破折が、20%とほぼ倍加していました。
 そもそも同会が調査をする切っ掛けとなったのは、破折の多さでした。常務理事の橋本実樹さんは「実際に診療をやっていて破折の多さに気が付いた」と話し、「『欠け』は修理が効きますが、破折は歯の根まで割れるので抜くしかありません」。
 調査の結果、破折に至る原因で多かったのは「くさび状欠損」でした。歯の根元がえぐれる現象で、橋本さんは「その原因がストレスなどによる歯ぎしりやかみ締めの癖だといわれています」としています。
 食事をかむ時にかかる力に比べ、歯ぎしりやかみ締めは約3倍の強い力がかかるといわれています。癖となって続けるうちに歯に負担がかかり、破折につながる構図。
 同会の広岡明美会長は、「歯ぎしり、かみ締めは皆さん無意識のうちにやっています。まずはそれに気付いてほしい」と話し、「特にかみ締めは歯ぎしりと違って音がしませんからね、わかりにくい」とも説明しています。
 広岡さんによると、かみ締めを見付ける「鍵」は口を閉じている時に歯が当たっているかどうかで、「基本は歯が当たらないんです。歯が当たるのは癖だから、そこに気が付くことが大事」と説明しています。
 調査結果は、論文「長野県上伊那地区における永久歯の抜歯原因調査」にし、2017年6月発行の学術誌に掲載しました。橋本さんは「どの歯医者さんも感じていたとは思うが、破折の増加がデータで出たのは初めて」と前置きし、「地方の医師会が調査をして学術論文を書くケースは少ないと思います」と話しています。

 2019年2月3日(日)

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