SSブログ

■子宮頸がんの前段階、薬で治療する臨床試験 京都大が開始 [健康ダイジェスト]

 子宮頸(けい)がんは主にウイルスが原因で発症しますが、京都大学の研究チームがこのウイルスの増殖を抑える新たな物質を開発し、新薬として国の承認を受けるための臨床試験(治験)を始めたと発表しました。今後、1年余りかけて安全性や効果を検証するというこで、治験が順調に進めば、3年後の製品化を目指します。
 これは京都大学医学部附属病院の濱西潤三講師と、京都大学医学部の萩原正敏教授らの研究チームが会見を開いて明らかにしました。
 子宮頸がんは、主に「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスに感染して起きるがんで、子宮の摘出手術が必要になるケースも少なくありません。
 今回、治験に使われるのは研究チームが15年前に別の病気の研究のため合成した物質で、これまでの研究からヒトパピローマウイルスの増殖を抑え、子宮頸がんの発症を防ぐ効果が期待できるということです。
 治験はすでに今年4月から始まっており、ウイルスに感染し、子宮頸がんにつながる前段階の「前がん病変」の症状が出ている患者など22人を対象に2週間、膣(ちつ)に入れて使う錠剤を投与した上で、安全性や効果を検証するということです。
 京都大学医学部の萩原教授は、「子宮頸がんは、がんにつながる症状が見付かっても手術以外に治療法がないのが現状だ。この前段階でも治療できる薬を開発することで、子宮頸がんで亡くなる女性をゼロにしたい」と話しています。
 子宮頸がんは国内では年間約1万人がかかり、3000人が亡くなっている病気で、近年は30歳代から40歳代の女性を中心に患者が急増しているのが現状です。研究チームによると、前がん病変には年間約15万人がなるといいます。
 子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルスで、性交渉によってこのウイルスに感染すると一部の人で子宮の入り口に腫瘍(しゅよう)ができ、子宮頸がんにつながります。
 子宮頸がんの予防にはワクチンがありますが、国内では副作用の指摘があったことから5年前から厚生労働省がワクチン接種の積極的な呼び掛けを中止しており、接種率は3年前の統計では0・3%にとどまっています。
 こうしたことから厚生労働省は定期的にがん検診を受けて早期の発見を心掛けてほしいと呼び掛けています。
 子宮頸がんはヒトパピローマウイルスに感染し、ウイルスが体内で増殖する際に作り出される特殊なタンパク質が主な原因とされています。
 今回、開発された物質は、人の細胞に含まれている酵素に働き掛け、ウイルスが増殖し、がんの原因となるタンパク質が作り出されるのを抑制する効果があるということで、治験に先立って行われた動物実験などでは高い効果がみられたということです。

 2019年6月7日(金)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。