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■フライドポテトを食べ続けた偏食の少年が失明 イギリスで症例報告 [健康ダイジェスト]

 小学生のころからフライドポテトや白パンばかり食べ続けてきた10歳代の少年が失明したという症例を、イギリス南西部のブリストル医科大学の研究チームが発表しました。極端な偏食が失明につながったとみて、偏った食生活に警鐘を鳴らしています。
 この症例は2日、アメリカの医学誌に発表されました。医師によると、少年は小学生の時からフィッシュ&チップス店のフライドポテト、市販のポテトチップス、白パン、ハム、ソーセージしか食べていなかったと話しているといいます。
 疲労感を訴えて初めて医師を受診したのは14歳の時で、診察の結果、ビタミンB12不足と貧血の症状があることが判明。医師はビタミンB12を投与して、食生活についてアドバイスしました。1年後には聴覚障害や視覚障害の兆候が現れましたが、医師にも原因はわかりませんでした。
 視覚障害は悪化を続け、17歳までには失明状態になりました。医師はビタミンB12の欠乏と銅およびセレンの不足、亜鉛過多、ビタミンDと骨密度の低下が原因と判断したものの、この時点で視覚障害は回復不可能な段階に入っていました。
 この症例について調べたブリストル医科大学とブリストル眼科病院の研究チームは、栄養障害によって視神経が機能不全に陥る視神経症と診断しています。
 途上国では貧困や戦争、干ばつなどに起因する栄養不良が、こうした症状につながることがあります。しかし先進国では、偏った食生活による視神経症の症例は極めてまれだといいます。
 今回の症例では、偏った食生活とミネラル不足が失明の原因になったと研究チームは指摘。今後はジャンクフードの消費に起因する視神経症が増える可能性もあると予想しています。
 また、ヴィーガン食(完全菜食主義者向けの食事メニュー)についても、欠乏症を避けるためにビタミンB12のサプリメントを服用するよう促しました。
 この症例報告について、栄養学を専門とするイギリスのキングス・カレッジ・ロンドンのトム・サンダース教授は、食習慣の報告が患者本人の記憶のみに基づいていることや、遺伝性の疾患や環境に起因する問題が考慮されていないことを理由に、批判的な見方を示しています。
 今回の研究にはかかわっていないイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンのギャリー・フロスト教授は、「極めて極端な事例ではあるが、幅広い多様な食事をとることの大切さが改めて示された」と指摘しています。

 2019年9月4日(水)

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