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■新型コロナウイルス目的のBCG接種は推奨せず 日本ワクチン学会が呼び掛け [健康ダイジェスト]

 赤ちゃんが接種するBCGワクチンが、新型コロナウイルスによる感染症と関係しているのか調べる研究が海外で行われていますが、科学的にはまだ実証されていません。しかし、効果を期待して、大人で接種を希望する人が出始めていることから、日本ワクチン学会は冷静に対応するよう呼び掛けています。
 BCGは結核を予防するワクチンとして、日本では0歳児を対象に定期接種が行われていますが、アメリカやイタリアなど海外では一律での接種を行っていない国もあります。
 こうした中、海外の研究者からは、BCGの定期接種を行っている地域では、新型コロナウイルスの感染者や死者が少ない傾向があるという指摘が出ており、オランダやオーストラリアでは、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化の予防とBCGが関係しているのか調べる臨床研究が行われています。
 しかし、日本ワクチン学会などによりますと、こうした動きを受けて、日本でもBCGの効果を期待して、接種歴がない世代の大人からワクチン接種を希望する人が出始めているということです。
 このため学会は4日までに、「BCGが新型コロナウイルスに有効かどうかは、いまだに科学的に確かめられておらず、そうした効果を期待して接種することも推奨されない」とする声明を出しました。
 声明では、海外に比べて日本で死者数などが抑えられているのは「国民一人一人の自制の効いた行動と心掛けによるところが大きいと考えられる」とした上で、「本来の目的でない接種が増えて、乳児へのワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない」として、冷静に対応するよう呼び掛けています。
 また、オランダで臨床研究を進めているラドバウド大学のミハイ・ネテア教授も、「BCGに効果があるか調べる価値は十分にあるが、科学的にはまだわかっていない。現時点で、一般の人が新型コロナウイルスの予防などを目的にワクチンを接種する理由は何もない」と指摘しています。

 2020年4月8日(水)

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