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■デンマーク、ミンクから12人が変異した新型コロナウイルスに感染 ミンク1700万匹を殺処分へ [健康ダイジェスト]

 北欧のデンマーク政府は4日、突然変異を起こした新型コロナウイルスがミンク農場で検出され人への感染が確認されたため、国内のミンクをすべて殺処分する方針を明らかにした。また、同国のメッテ・フレデリクセン首相は5日、北西部の住民28万人余りを対象に、移動制限などの特別措置を発表しました。
 フレデリクセン首相は記者会見で、突然変異について「将来の新型コロナウイルスワクチンの効果が、きちんと出ない恐れがある」と説明。「すべてのミンクを殺処分する必要がある」と表明しました。
 加えて、「感染拡大を阻止するため、今夜以降、北部ユトランドの7つの地域の市民に対し、できる限り地域内にとどまるよう求める」と表明。国民にこの地域への移動も控えるよう求め、飲食店も閉鎖されると述べました。地域内の公共交通機関は停止され、この地域発着のバスと電車の運行も停止されます。フレデリクセン首相は、地域の「実質的な閉鎖」に「世界の目が私たちに向けられている」とも話しました。
 トーキル・フォーグダ警察署長は殺処分を「できる限り早く」開始する方針を示した上で、農場1080カ所のミンク1500万~1700万匹の殺処分は「非常に大規模な作業」だと認めました。
 ミンクの毛皮生産量世界一の同国ではこれまで、ミンク農場207カ所で新型コロナウイルスが検出され、一部ではウイルスが突然変異を起こし、人が変異型ウイルスに感染したことも確認されています。変異型ウイルスについて、保健当局も「通常のウイルスと同程度の抗体で阻害されない」と結論付けていました。
 変異型新型コロナウイルスはこれまで12人から検出され、うち11人が今回の制限措置対象地域の住民、残り1人が別の地域の住民でした。
 毛皮を採取するための家畜のミンクを巡っては、これまでにオランダやスペインでも、殺処分が行われたということです。
 変異した新型コロナウイルスがワクチンの有効性に与える影響について、世界保健機関(WHO)の主任科学者ソミア・スワミナサン氏は6日、スイスのジュネーブで開いた定例の記者会見で、「今回確認された変異がワクチンの有効性に影響をもたらすのか、今、結論を出すべきではない。そのような証拠は今の段階ではない」と述べました。
 その上で、危機対応を統括するマイク・ライアン氏は、デンマーク当局と連携してより詳細な検証を進めていく考えを示しました。

 2020年11月7日(土)
 
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