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■ウミガメの不織布マスク誤飲を初確認 東京農工大など発表 [健康ダイジェスト]

 岩手県沿岸で捕獲されたアオウミガメの排せつ物中に、新型コロナウイルス禍で海洋流出の拡大が懸念される不織布マスクが含まれていたと、東京農工大学と東京大学の研究チームが2月9日までに、海洋汚染の学会誌に発表しました。ウミガメによるプラスチック類の誤飲は以前から確認されているものの、不織布マスクを飲み込んだとの報告は世界で初めてだといいます。
 研究チームは、市販のマスクに、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)と指摘される紫外線吸収剤が含まれることも確認。「海洋汚染が広がると海の生物に悪影響が出ることが懸念される」と指摘しました。紫外線吸収剤は、太陽光による劣化を防ぐために加えられます。
 このウミガメは2021年8月に岩手県沿岸の定置網に混獲され、飼育されていました。東京農工大水環境保全学研究室の福岡拓也研究員が、排せつ物中に縦9センチ、横14センチほどの大きさのマスクのようなものを発見。成分などからポリプロピレン製不織布マスクと確認しました。
 研究チームは、このウミガメから採取した血液を詳しく調べ、マスクに含まれる物質が海洋生物にどういった影響をもたらすかを分析することにしています。
 福岡研究員は、「ウミガメはのどを通るものは飲み込んでしまう性質があり、藻や海草などの餌と間違えて飲み込んだものと考えられる。不織布マスクにもプラスチック素材が使われているので、生物への影響も考えて適切に廃棄処分することが大事だ」と話しています。
 一方、国内で市販されるマスク中の化学物質を調べる研究では、5社中4社の不織布マスクから、生物への悪影響が懸念されるベンゾトリアゾール系と呼ばれる紫外線吸収剤を検出しました。中には、環境ホルモンと指摘されるUV329という物質を比較的高濃度で含む製品もありました。
 研究チームの高田秀重東京農工大教授は、「海洋生物がマスクを誤飲することで、プラスチック中の化学物質にさらされる可能性を示している」と指摘。マスクなどが多く使われる状態はしばらく続くとみられ、「適切な処理の徹底や添加剤の変更といった対策が必要だ」と話しました。

 2022年2月26日(土)




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