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■体外で3日間保存した肝臓の移植に成功 スイスのチューリッヒ大学病院 [健康ダイジェスト]

 スイスのチューリッヒ大学病院などの研究チームは2日、ドナー(提供者)から摘出した肝臓を体外で3日間保存した後、患者に移植することに成功したと発表しました。成功は世界初といいます。患者は肝硬変など複数の重い肝臓病を患っていたものの、手術の数日後に退院し1年後も元気に過ごしているといいます。
 数時間以内が一般的だった肝臓の摘出から移植までのタイムリミットが大幅に延びることで、肝移植を受けられる患者が増える可能性があります。
 研究チームは29歳の女性から提供された肝臓を独自開発の装置とつなぎ、体温とほぼ同じセ氏37度で保存しました。この肝臓は移植に適さない可能性があるとして、ほかの医療機関で移植を拒否されたものでしたが、特殊な溶液を臓器に流し込む「かん流」を続けて肝臓の機能を維持しながら安全性を確認し、3日後に62歳の男性患者に移植しました。
 肝移植では通常、ドナーから摘出した肝臓を低温で保存し、数時間以内に移植するものの、時間上の制約などから移植を実施できないケースも多くなっています。肝臓を体温程度の温度で長く保存できれば、移植に適さない状態の肝臓を回復させた後に移植できる可能性も出てきます。
 臓器移植や臓器再生の研究に取り組む東京慈恵会医科大学の小林英司特任教授は、「臓器の培養が可能な時代に入りつつあることを示す重要な研究だ」と話しています。
 成果は5月31日付で、科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」に掲載されました。

 2022年6月6日(月)

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