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■アメリカ、コロナワクチン8200万回分を廃棄 接種需要低下と期限切れで [健康ダイジェスト]

 アメリカで2020年12月から2022年5月半ばまでに、合計8200万回分の新型コロナウイルスのワクチンが無駄に廃棄されていたことが明らかになりました。アメリカ政府が資金を投じて用意したワクチンの11%に相当します。重症者が減って接種需要が低下している上、開封した日に使い切れずにそのまま処分対象になったワクチンが多いといいます。
 アメリカのニュースメディアがアメリカ疾病対策センター(CDC)のデータをもとに報じました。全体の25%はドラッグストア大手のCVSヘルスとウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの2社が扱うワクチンでした。両社とも取扱量が多く、使い切れないまま処分を迫られたワクチンが相当数あったとみられます。
 廃棄になったワクチンの中には、有効期限が切れてしまったものや停電などで冷凍庫の保存温度が保てなかったものも含みます。
 世界保健機関(WHO)の調べによると、累計2~5回の接種が必要となる場合、ワクチンの約1割が期限切れなどで処分されるのは一般的です。しかし、発展途上国を中心にワクチンが行き届いていない国も多く残る中、アメリカの大量廃棄は問題視されています。
 WHOは2022年6月までに、世界各国でワクチンを2回以上受けた人の割合を70%にまで高めるという目標を掲げていました。だが、イギリスのオックスフォード大の研究者らでつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、アフリカなどの低所得国ではワクチンを1回以上接種できた人口は全体の16・2%にとどまっており、WHOの目指す水準には遠く及びません。

 2022年6月7日(火)

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