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■WHO、「サル痘」で緊急事態を宣言 75の国と地域で1万6000人余りが感染 [健康ダイジェスト]

 欧米などを中心に報告が相次ぐ「サル痘」について世界保健機関(WHO)は、日本時間の23日夜に記者会見し、感染の拡大が続いているとして最高度の警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。WHOは現在、新型コロナウイルスとポリオの感染拡大について緊急事態の宣言を継続しており、「サル痘」は3つ目となります。
 WHOは7月21日、各国の専門家や保健当局の担当者による緊急の委員会を開催し、欧米などを中心に感染が拡大する「サル痘」の状況について検討しました。
 この検討結果を受けて23日、スイスのジュネーブで記者会見したテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、専門家などの委員会ではさまざまな意見が出され、宣言を出すべきかどうか全会一致の結論には至らなかったものの、サル痘の感染拡大についてはわからないことも多く、世界中に急速に拡大しているなどとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言に踏み切ったと述べました。
 WHOによりますと、サル痘はこれまでに75の国と地域で1万6000人余りの感染者が確認され5人が亡くなっています。
 テドロス事務局長は、適切な対策を講じれば感染拡大は防げると述べ、まだ感染が確認されていない国も含めてウイルスの監視態勢を強化し、さらなる感染拡大を防いでいくべきだと訴えました。
 WHOは6月にも専門家による委員会を招集して、緊急事態を宣言すべきかどうか検討しましたが、見送りました。
 その時点の感染者の数は、約3000人。ところがその後も感染者は増え続け、これまでに1万6000人余りに上っています。
 テドロス事務局長は記者会見で、WHOが招集した専門家などによる委員会ではサル痘は一般的に症状が軽いとされ、死者もこれまでに5人となっていて緊急事態宣言を出す必要があると捉えていない専門家もいて全会一致の結論には至らなかったと明らかにしました。
 ただサル痘は、感染の仕方などについてまだわからない点も多い上、急速に広がっているとして、自らの判断で緊急事態の宣言に踏み切ったとしています。
 会見でテドロス事務局長は欧米などでの今の感染状況について、「今回の感染拡大は、男性と性的関係がある男性、特に、複数のパートナーと性的関係を持つ男性の間で集中的に感染者が発生している。これは適切なグループに対して適切な戦略を講じれば、感染拡大を止めることができることを意味する」と述べました。
 一方で、サル痘は、密接な接触によって誰もが感染する可能性があり、特定のグループの人たちの病気ととらえずに警戒するべきだとしていて、テドロス事務局長は偏見や差別はウイルスと同じように危険だとしています。
 そして各国がとるべき対策として、サル痘が確認されている国では、感染を止める対策の実施や重症化リスクが高い人への対応を求めているほか、サル痘が確認されていない国などでも、保健当局が協力して信頼できる検査態勢を構築することなどを求めています。
 厚生労働省によりますと、日本では集計が開始された2003年以降、サル痘の感染は報告されていません。
 サル痘は感染症法上、狂犬病などと同じ「4類感染症」に指定され、診断した医師は患者の発生を保健所に届ける必要があります。
 サル痘は、現在、欧米だけでなく、日本に近い韓国やシンガポール、タイ、台湾でも感染者が確認されています。

 2022年7月25日(月)

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