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■アメリカのサル痘感染者、5000人突破 ニューヨーク州など緊急事態宣言 [健康ダイジェスト]

 アメリカで天然痘と似た症状の感染症「サル痘」の感染が急拡大しています。累計の感染者数は29日時点で5000人を突破し、スペインを上回り世界最多となりました。直近1カ月で15倍に増えました。東部ニューヨーク州などは感染者の急増を受けて緊急事態宣言を出し、ワクチンの接種など感染防止対策を急いでいます。
 アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、29日時点の感染者数は5189人になりました。全米50州で最も多いのはニューヨーク州で1345人、次いで西部カリフォルニア州が799人でした。
 サル痘は5月以降、欧米を中心に感染が広がっています。CDCは世界の感染者数は29日時点で2万2000人超と集計しており、このうちアメリカが2割あまりを占める計算です。感染者の大半は軽症で、男性間の性交渉を通じて感染する人が多いものの、アメリカでは子供の感染者も確認されています。
 ニューヨーク州とカリフォルニア州サンフランシスコ市は28日、緊急事態宣言を出しました。緊急事態宣言によって感染防止対策により多く柔軟に予算が使えるようになるといいます。
 サンフランシスコ市では感染者が305人となりました。19日には連邦政府から約4000回分のワクチンを受け取ったものの、少なくとも3万5000回分が必要と見積もっています。緊急事態宣言には、連邦政府からより多くワクチンを受け取る狙いもあります。
 中西部イリノイ州シカゴ市やニューヨーク市などでは優先順位を設け、不足するワクチンの配分を工夫しています。例えば、シカゴ市では男性と性交渉を持つ男性や14日以内に金銭を目的に性交渉した人などに優先して接種を進めています。
 アメリカ保健福祉省は28日、78万回分のワクチンを現在の感染状況や今後の予測に応じて各州に追加配布すると発表。CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、「流行を止めるために最も必要としている人々により多くのワクチンを提供する」と説明しています。

 2022年7月30日(土)

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