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■「中條・西村症候群」の薬の候補を発見 和歌山県や大阪府南部に患者が集中する難病 [健康ダイジェスト]

 和歌山県や大阪府南部に患者が集中する遺伝性の希少難病「中條(なかじょう)・西村症候群」について、患者から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)で病気を再現することに成功し、症状を抑える薬の候補を見付けたと、和歌山県立医科大学や京都大学などの研究チームが発表しました。
 論文が4日、アメリカの科学誌「ステム・セル・リポーツ」(電子版)に掲載されました。
 中條・西村症候群は、幼少期から発疹や発熱などの炎症を繰り返し、顔や腕の脂肪や筋肉が徐々に落ちて死亡するケースが多い疾患。国内の患者数は十数人で、和歌山県や大阪府南部に患者が集中しています。これまでマウスなどの動物で病気を再現することが難しく、有効な治療法はありませんでした。
 研究チームは、和歌山県在住の患者の皮膚細胞からiPS細胞を作って血液細胞に変化させたところ、炎症の原因となるタンパク質を多く生み出していることを確認。既存のリウマチ治療薬を含む3種類の薬剤に炎症を抑える効果があることがわかりました。
 今後、筋肉細胞などにも変化させて、さらに多くの薬剤で効果を試します。
 研究チームの金沢伸雄・和歌山医大准教授(皮膚科)は、「手の施しようがなかった患者の治療につなげたい」と話しています。

 2018年5月8日(火)

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■厚労省、治療薬パンフの配布を容認 がん患者団体の要望受け [健康ダイジェスト]

 製薬会社が医療関係者向けに作製した治療薬などのパンフレットについて、厚生労働省は、学会の学術集会に参加するがん患者らが受け取ることを認める通知を出しました。
 国内では患者への医療用医薬品の広告を禁止しており、学会が学術集会で設置された企業ブースへの患者の立ち入りを制限するケースが多く、自ら情報収集することを望むがん患者団体などから不満の声が出ていました。
 医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく広告基準では、医療用医薬品を医師や薬剤師以外の一般の患者に対し広告宣伝することを禁じています。患者が直接、製薬会社のPRを見聞きすると、十分に理解しないまま医療用医薬品を医師に求める恐れが想定されることなどが、理由とされています。このため、治療薬のパンフレットを求める患者は医師を通じて手に入れる必要がありました。
 一方、がん患者団体によると、欧米では患者が学術集会に積極的に参加する動きが盛ん。患者の理解力向上のため、治療薬のパンフレット配布も認められており、国内でも同様の対応を求める声が患者の間で高まっていました。
 こうした要望を受け、厚労省は学術集会に参加する患者への配慮が必要と判断。「医薬関係者向け」と表示した上で、患者の受け取りを認める通知を3月下旬に出しました。
 働く世代のがん患者支援に取り組む一般社団法人「CSRプロジェクト」代表理事の桜井なおみさんは、「患者は、薬が効く仕組みや副作用をよく理解した上で使いたいと思っている。患者が主体的に治療にかかわれる一歩になる」と評価しました。

 2018年5月8日(火)

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