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■iPS細胞の心筋球移植で心臓の収縮機能倍増 2年後に実用化へ [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心臓の筋肉(心筋)の細胞約1千個を球状に加工した「心筋球」計約5万個を、重い心不全患者の心臓に移植する世界初の治験を進めている慶応大学発の医療ベンチャー、ハートシード(東京都新宿区)が、手術を行った患者2人について顕著な症状改善効果を確認したことが9日、わかりました。心筋梗塞で硬化し収縮しづらくなった心臓の収縮機能が倍増。2年後の2025年の実用化を目指すといいます。
 治験の対象は、心臓の血管が詰まって心筋が壊死(えし)し、心臓の筋肉組織が硬くなって柔軟性が失われ、血液を送る力が衰えた「虚血性心筋症」という心不全の患者。息切れやむくみが起こり、悪化すると歩行ができなくなり生命の危険も生じます。
 すでに4手術を実施。そのうち昨年12月に1例目、今年2月に3例目の手術を、いずれも60歳代男性に対して実施した共同研究機関の東京女子医科大学病院(東京都新宿区)が、術後半年を経過したことから、治療の効果について取りまとめました。
 2人とも重篤な副作用はなく、細胞のがん化もありませんでした。心筋球は約30倍の大きさに成長して心臓と一体化し、筋肉組織は柔軟さを取り戻し機能が改善しました。生命にかかわる不整脈もなく、患者は退院し歩行のリハビリテーションも始めたといいます。
 手術から半年後の分析では、心臓が血液を送り出す力を示す収縮率(健常者は平均約65%)が、1例目が26%から28%に改善。3例目は、17%から38%に倍増しました。また、心筋梗塞を起こした心筋細胞数の指標となる物質も、1例目が血液1ミリリットル当たり1万1471ピコグラム(ピコは1兆分の1)から5733ピコグラムに急減。その後も減少が続いています。3例目は、5225ピコグラムから817ピコグラムに大幅減少し、重篤な心不全の基準となる900ピコグラム以下に改善しました。
 ハートシードの社長を務める福田恵一・慶応大学名誉教授は、「入念な準備を重ねた結果、大きな問題は起こっておらず、iPS心筋球移植の安全性と有効性を立証できた。日本発の新たな心不全治療法を世界に広げたい。今後は世界規模の最終段階の共同治験を行い、2025年ごろの実用化を目指している」と説明しています。
 今回の成果は、9日に開かれた日本心臓病学会学術集会で発表されました。

 2023年9月9日(土)

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■インフルエンザの感染者、1万2638人に増加 学校の学級閉鎖も [健康ダイジェスト]

 インフルエンザや新型コロナウイルスによる学級閉鎖が、夏休み明けから増加しています。財団法人の日本学校保健会は、全国にある保育園や幼稚園、学校などのうち、登録のあった約4万の施設の学級閉鎖などの状況を集計しています。
 それによりますと、多くの学校で2学期が始まった8月25日の時点で学級閉鎖となったのは、新型コロナで11クラス、インフルエンザで1クラスでしたが、1週間前の9月1日では、新型コロナで205クラス、インフルエンザで42クラスに、8日午後3時の時点では、新型コロナで515クラス、インフルエンザで186クラスに増えています。
 全国のインフルエンザの患者数は9月3日までの1週間で1医療機関当たり2・56人となり、前の週より増加しました。流行の目安とされる「1人」を超える状態が続いています。
 厚生労働省によりますと、9月3日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週から5700人余り増えて1万2638人でした。1医療機関当たりでは、前の週の1・40人から2・56人に増えました。
 地域ごとでは、いずれも1医療機関当たりで沖縄県で9・41人、宮崎県で4・95人、三重県で4・42人、千葉県で4・20人、福岡県で4・16人などとなっています。
 インフルエンザは、全国で1医療機関当たり1人を超えると「流行期入り」の目安とされていていますが、昨年の12月25日までの1週間に「1・24人」となって以降、1人を上回る状態が続いています。
 厚労省によりますと、この時期まで1人を上回る状態が続くのは、現在の集計方法となった1999年以降で初めてだということです。
 感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は、「コロナ禍の感染対策が行われていた時期はインフルエンザは感染拡大が抑えられていたため、免疫を持たない人が増えたことが影響していると考えられる」と話しています。

 2023年9月9日(土)

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■新型コロ治療薬、患者負担9000円 10月以降、低所得者は軽減 [健康ダイジェスト]

 政府が検討する新型コロナウイルス感染症の医療支援見直し案がわかりました。現在は全額公費で賄っている高額治療薬は10月以降、9000円を基本として患者に自己負担を求めます。所得に応じて6000円や3000円に軽減します。最大2万円の入院費補助は10月以降、1万円程度に減額します。
 新型コロナの感染症法上の位置付けが5月8日に「5類」になり、政府は医療支援の来春の廃止を検討。段階的な廃止に向け、今年10月以降、補助額を縮小します。この夏の感染状況とその対応を踏まえ、関係団体などの意見を聞いた上で最終判断する見込み。
 感染者の約1割が、高額な治療薬を使っており、ラゲブリオやパキロビッドなどの抗ウイルス薬は1人当たりの薬価が9万円台とされます。10月以降は、1割程度を自己負担してもらう考え。来年4月以降は通常の病気やけがと同様に、原則1~3割の負担とする方向です。
 現在の入院費は、1カ月の医療費が上限額を超えた場合に支給する「高額療養費制度」を適用した上で、さらに最大2万円を補助しています。

 2023年9月9日(土)

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