■病気 アルコール性肝障害 [病気(あ行)]
肝臓を障害する長期の大量飲酒
アルコール性肝障害とは、酒の飲みすぎによって肝臓が負担を受け、発症する病気の総称です。
アルコール性肝障害で最初に生じるのは、アルコール性脂肪肝です。肝細胞に中性脂肪がたまって肥大化し、肝臓が全体的に腫(は)れます。軽い腹部不快感や疲れやすさ、食欲不振、やせなどがみられます。大量飲酒者のほとんどにアルコール性脂肪肝は認められますが、通常は無症状。
なお大量飲酒を続けると、やがて約2割の人にアルコール性肝炎が起こります。発熱、黄疸(おうだん)、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、吐き気、下痢などの自覚症状が現れます。
非常に重症になる場合もあり、入院治療が必要です。重症型アルコール性肝炎と呼ばれる病態になると、肝性脳症、肺炎、急性腎(じん)不全、消化管出血などの合併症やエンドトキシン血症などを伴い、死亡することもあります。
幸い重症化しない場合でも、長期に大量飲酒を続け、肝臓への負担が増加するとアルコール性肝線維症をへて、線維化がますます進み肝臓の働きも低下するアルコール性肝硬変になる場合があります。黄疸や疲れやすさ、腹部不快感、右上腹部痛、吐き気、吐血などの症状が出てくることが多くなります。
アルコール性肝障害の原因としては、アルコールが直接、肝臓を障害することが挙げられます。問題となるのはアルコールの量で、酒の種類は関係ありません。肝臓はアルコールや薬、不要物などの代謝解毒を行っていますが、アルコールを長い間飲み続けると、肝臓が常に負担を受け続けるために、障害が出てくるのです。
同時に、酒飲みは栄養のある食事を取らないことが多く、とりわけ蛋白(たんぱく)質 の不足が肝臓を悪くする原因の一つになっています。
およその量として、日本酒にして毎日3合くらいを5年以上飲み続けているとアルコール性脂肪肝に、毎日5合を10年以上のみ続けているとアルコール性肝硬変になる可能性が高いとされています。また、女性は男性よりアルコール性肝障害になりやすく、1日2合の飲酒が続いても肝障害を引き起こす恐れがあります。
ちなみに、日本では1日平均150g以上のアルコールを飲む人を大量飲酒者と呼びます。この量を酒に換算すると、日本酒で約5合、ビール大びんで約5本、ウイスキーではダブルで約5杯ということになります。健康生活のためには、1日あたり平均30gのアルコール摂取、つまり1日に日本酒で約1合、ビール大びんで約1本が適量と見なされます。
治療には節酒ではなく、禁酒が大切
従来、アルコール性肝障害は低栄養の人に多かったのですが、最近は肥満でかつアルコール性肝障害を持って人が増えているので、注意が必要です。
年に一回は、生活習慣病予防健診で肝臓の検査を受け、肝機能や膵(すい)機能、空腹時血糖に異常がないかどうかチェックしましょう。多くの飲酒者で、血液中のγ(ガンマ)―GTPは高値を示すので、個人差はありますが飲酒量のバロメーターとして利用できます。
アルコール性肝障害では肝臓の線維化が進んでも、しばしば血液検査で異常が見付からない場合もあるので、詳しく肝臓の状態を知るためには腹部超音波検査や肝生検が必要になります。血清アルブミン値や血小板数に異常が見付かれば、比較的進んだ肝障害があることを意味することが多くなります。
すでに肝障害が見られる場合には、節酒ではなく、禁酒が必要です。 断酒会などを積極的に利用するのも、一案です。アルコール性肝障害では、最初、脂肪肝だったものを放っておくと肝硬変に進行していきますが、早く見付けて断酒などの対処をすれば、肝がんに進むことはまれです。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
アルコール性肝障害とは、酒の飲みすぎによって肝臓が負担を受け、発症する病気の総称です。
アルコール性肝障害で最初に生じるのは、アルコール性脂肪肝です。肝細胞に中性脂肪がたまって肥大化し、肝臓が全体的に腫(は)れます。軽い腹部不快感や疲れやすさ、食欲不振、やせなどがみられます。大量飲酒者のほとんどにアルコール性脂肪肝は認められますが、通常は無症状。
なお大量飲酒を続けると、やがて約2割の人にアルコール性肝炎が起こります。発熱、黄疸(おうだん)、右上腹部痛、肝臓の圧痛、食欲不振、吐き気、下痢などの自覚症状が現れます。
非常に重症になる場合もあり、入院治療が必要です。重症型アルコール性肝炎と呼ばれる病態になると、肝性脳症、肺炎、急性腎(じん)不全、消化管出血などの合併症やエンドトキシン血症などを伴い、死亡することもあります。
幸い重症化しない場合でも、長期に大量飲酒を続け、肝臓への負担が増加するとアルコール性肝線維症をへて、線維化がますます進み肝臓の働きも低下するアルコール性肝硬変になる場合があります。黄疸や疲れやすさ、腹部不快感、右上腹部痛、吐き気、吐血などの症状が出てくることが多くなります。
アルコール性肝障害の原因としては、アルコールが直接、肝臓を障害することが挙げられます。問題となるのはアルコールの量で、酒の種類は関係ありません。肝臓はアルコールや薬、不要物などの代謝解毒を行っていますが、アルコールを長い間飲み続けると、肝臓が常に負担を受け続けるために、障害が出てくるのです。
同時に、酒飲みは栄養のある食事を取らないことが多く、とりわけ蛋白(たんぱく)質 の不足が肝臓を悪くする原因の一つになっています。
およその量として、日本酒にして毎日3合くらいを5年以上飲み続けているとアルコール性脂肪肝に、毎日5合を10年以上のみ続けているとアルコール性肝硬変になる可能性が高いとされています。また、女性は男性よりアルコール性肝障害になりやすく、1日2合の飲酒が続いても肝障害を引き起こす恐れがあります。
ちなみに、日本では1日平均150g以上のアルコールを飲む人を大量飲酒者と呼びます。この量を酒に換算すると、日本酒で約5合、ビール大びんで約5本、ウイスキーではダブルで約5杯ということになります。健康生活のためには、1日あたり平均30gのアルコール摂取、つまり1日に日本酒で約1合、ビール大びんで約1本が適量と見なされます。
治療には節酒ではなく、禁酒が大切
従来、アルコール性肝障害は低栄養の人に多かったのですが、最近は肥満でかつアルコール性肝障害を持って人が増えているので、注意が必要です。
年に一回は、生活習慣病予防健診で肝臓の検査を受け、肝機能や膵(すい)機能、空腹時血糖に異常がないかどうかチェックしましょう。多くの飲酒者で、血液中のγ(ガンマ)―GTPは高値を示すので、個人差はありますが飲酒量のバロメーターとして利用できます。
アルコール性肝障害では肝臓の線維化が進んでも、しばしば血液検査で異常が見付からない場合もあるので、詳しく肝臓の状態を知るためには腹部超音波検査や肝生検が必要になります。血清アルブミン値や血小板数に異常が見付かれば、比較的進んだ肝障害があることを意味することが多くなります。
すでに肝障害が見られる場合には、節酒ではなく、禁酒が必要です。 断酒会などを積極的に利用するのも、一案です。アルコール性肝障害では、最初、脂肪肝だったものを放っておくと肝硬変に進行していきますが、早く見付けて断酒などの対処をすれば、肝がんに進むことはまれです。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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