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■妊娠高血圧の治療にマウスで成功 スタチンを投与 [健康ダイジェスト]

 人の妊娠高血圧症候群に近いモデルのマウスづくりに、大阪大(大阪府吹田市)の医学部と微生物病研究所のチームが世界で初めて成功しました。このマウスに、高脂血症の治療薬のスタチンを投与して、母マウスの血圧を下げることにも成功しました。
 かつては妊娠中毒症と呼ばれていた妊娠高血圧症候群は、妊婦の約1割が患います。妊娠に伴って血圧が異常に高くなり、足がむくんだり血管が破れやすくなったりして、重症だとけいれん発作や脳出血などの合併症を起こし、母子ともに危険な状態になる恐れがあります。胎盤の血管がうまく育たないことが、原因の一つとされます。
 微生物病研究所の伊川正人准教授(実験動物学)らは、胎盤の血管を育ちにくくする遺伝子を着床前のマウスの胚に入れ、人の妊娠高血圧症と同じ症状を起こすマウスをまずつくりました。このマウスを妊娠させ、高血圧の発症前にスタチンを与えたところ、血圧は妊娠中も正常の範囲にとどまりました。胎盤の成長も2割ほどよくなりました。赤ちゃんの体重も、スタチンを与えなかった母マウスの赤ちゃんと比べて15パーセント重くなりました。
 高脂血症の治療薬のスタチンは、血液中のコレステロール値を下げる働きのほか、心筋梗塞や脳血管障害を起こしにくくすることが知られています。ただ、現在の市販薬は赤ちゃんに奇形が生じる可能性があるとして、妊婦には原則として使えません。
 今回のマウスは、妊婦に安全な治療薬を探すのに役立ちます。伊川准教授は、「治療だけでなく発症を予防する効果もあり、よりよい薬が見付かれば、日本だけでなく途上国でも周産期死亡を減らせるのではないか」と話しています。

 2011年1月1日(土)

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