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■介護福祉士の資格要件見直し、3年先送り 現場に戸惑い [健康ダイジェスト]

 介護福祉士の質を向上させるための資格要件の見直しが、2012年度の実施を前に3年間先送りされます。人手不足にあえぐ介護現場からの反発を受け、政権交代後に厚生労働省の政務三役が政治主導で決断。朝令暮改の方針転換に、教育現場には不信感が広がっています。
 07年の社会福祉士・介護福祉士法改正で、福祉系の大学や専門学校を卒業して介護福祉士になる場合、不要だった国家試験の合格が必須となりました。3年以上の実務経験がある人は国家試験の合格が必要でしたが、さらに600時間の研修が義務付けられることになりました。
 この見直しは12年度に実施予定でしたが、今月20日の厚労省の検討会の報告を受け、3年間遅らせます。延期には法改正が必要で、前回の法改正の施行を前に、再び改正する異例の事態です。
 07年の改正は、認知症やうつ病など看護制の高い利用者が増加し、それとともに質の高い介護サービスが求められることから、介護福祉士の資格を国家試験合格者に一本化する狙いがありました。
 しかし、介護現場から「600時間の研修は負担が重く、資格を目指す職員が減る」と反発を受け、厚労省は研修時間を450時間に短縮する方針。研修内容も大幅に見直します。
 教育現場には戸惑いが広がっています。福祉系の4年制大学68校で作る連絡協議会が昨年末にまとめたアンケートでは、国家試験の延期に8割が「影響がある」と答えました。すでに国家試験受験を前提に生徒募集が続けられ、「抗議が予想される」と悲鳴も上がっています。
 福祉系高校は、資格要件の見直しに伴い、2年前から研修時間を増やしました。北海道立で唯一の福祉科がある置戸高校の佐々木裕校長は、「介護福祉士の質の向上のためと覚悟を決めて受験準備に取り組んでいるが、ハシゴを外された気持ちだ」と話しています。
 介護福祉士の有資格者は約90万人で、日常生活に手助けが必要な高齢者や障害者に対し、心身の状態に応じた介護を行う専門的な知識や技術を持ちます。現在は無資格者でも介護の仕事をすることはできますが、ホームヘルパー1級の廃止が決定しており、いずれは介護福祉士が介護職に就くために最低限必要な資格となる可能性があります。

 2011年1月25日(火)

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