■アミノ酸摂取が早期体調回復に有効 激しいスポーツや手術後に [健康ダイジェスト]
アミノ酸の一種であるシスチンとテアニンには免疫機能を強めたり、炎症を抑制したりする効果があり、摂取すれば激しいスポーツや手術を受けた後の回復が早まるとの研究結果を、味の素や東京大学、仙台オープン病院のチームが発表しました。
シスチンは肉類に、テアニンは茶葉に多く含まれ、これら二つを配合した「シスチン・テアニン」には、免疫機能の調整で重要な働きをするグルタチオンという抗酸化物質の合成を促進する効果があるといいます。
共同研究チームによると、マラソンなどの激しい運動をすると、体内で過剰な炎症反応が起きて免疫力が低下、感染症のリスクが高まり、体調不良を訴えるオーバートレーニング症候群に陥りやすいと考えられています。そこで、ボディービルと駅伝の選手を対象に臨床研究を実施。シスチン・テアニンを投与するグループと投与しないグループに分け、運動前後の血液と唾液を分析しました。
投与しないグループはトレーニング後、リンパ球の一種で細菌やウイルスの除去に重要な役割を果たすNK細胞の働きが低下しましたが、投与したグループでは活性が維持されました。さらに、白血球の一種で炎症反応を引き起こす顆粒球の増加が抑制され、筋肉組織の損傷度を示すミオグロビン値の上昇も抑えられました。これにより、シスチン・テアニンの摂取が、激しい運動による過剰な炎症反応を抑制し、生体への悪影響を改善する働きがあるという結論に達しました。
また、仙台オープン病院で胃の部分切除を受ける患者15人に手術の4日前から術後5日目までの10日間、シスチン・テアニンを投与、別のアミノ酸を投与した18人と比較した結果、シスチン・テアニンを投与した患者では、血中における顆粒球の増加とリンパ球の低下が有意に抑制されました。さらに、手術後の炎症反応が早期に抑えられ、術後の回復が早かったといいます。
同病院の土屋誉副院長は、「最近は『ERAS』と呼ばれる手術後の回復能力を強化するプログラムの導入が盛んだが、シスチン・テアニンの摂取はその一つとして採用できる」と評価しています。
シスチン・テアニンの効能を研究してきた味の素は、免疫機能を強めたり、炎症を抑制する以外にも、インフルエンザワクチン接種後の高齢者における抗体産生の増強や、成人男性における冬期風邪発症の抑制などを確認しているといいます。
2011年4月11日(月)
シスチンは肉類に、テアニンは茶葉に多く含まれ、これら二つを配合した「シスチン・テアニン」には、免疫機能の調整で重要な働きをするグルタチオンという抗酸化物質の合成を促進する効果があるといいます。
共同研究チームによると、マラソンなどの激しい運動をすると、体内で過剰な炎症反応が起きて免疫力が低下、感染症のリスクが高まり、体調不良を訴えるオーバートレーニング症候群に陥りやすいと考えられています。そこで、ボディービルと駅伝の選手を対象に臨床研究を実施。シスチン・テアニンを投与するグループと投与しないグループに分け、運動前後の血液と唾液を分析しました。
投与しないグループはトレーニング後、リンパ球の一種で細菌やウイルスの除去に重要な役割を果たすNK細胞の働きが低下しましたが、投与したグループでは活性が維持されました。さらに、白血球の一種で炎症反応を引き起こす顆粒球の増加が抑制され、筋肉組織の損傷度を示すミオグロビン値の上昇も抑えられました。これにより、シスチン・テアニンの摂取が、激しい運動による過剰な炎症反応を抑制し、生体への悪影響を改善する働きがあるという結論に達しました。
また、仙台オープン病院で胃の部分切除を受ける患者15人に手術の4日前から術後5日目までの10日間、シスチン・テアニンを投与、別のアミノ酸を投与した18人と比較した結果、シスチン・テアニンを投与した患者では、血中における顆粒球の増加とリンパ球の低下が有意に抑制されました。さらに、手術後の炎症反応が早期に抑えられ、術後の回復が早かったといいます。
同病院の土屋誉副院長は、「最近は『ERAS』と呼ばれる手術後の回復能力を強化するプログラムの導入が盛んだが、シスチン・テアニンの摂取はその一つとして採用できる」と評価しています。
シスチン・テアニンの効能を研究してきた味の素は、免疫機能を強めたり、炎症を抑制する以外にも、インフルエンザワクチン接種後の高齢者における抗体産生の増強や、成人男性における冬期風邪発症の抑制などを確認しているといいます。
2011年4月11日(月)
コメント 0