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■塩分摂取による高血圧の発症 カギは腎臓のたんぱく質 [健康ダイジェスト]

 塩分の過剰摂取が高血圧を招くといわれますが、血圧が上がりにくい人もいます。その違いは腎臓でのたんぱく質の働きの差で起こることが、東京大学医学部附属病院の藤田敏郎教授(腎臓内分泌内科)らによるネズミの実験でわかりました。新たな視点による高血圧治療薬の開発に役立ちそうです。
 藤田教授らは、ネズミに塩分過多の食事(塩分8パーセント)を与えて3週間観察。ネズミは最高血圧(収縮期血圧)が160に達した高血圧グループと、正常値の120にとどまったグループに分かれ、前者では腎臓の細胞の形の維持などに必要なたんぱく質「Rac1」が活性化していました。
 このたんぱく質の働きを妨げる薬を高血圧グループのネズミに与えたところ、塩分過多の食事でも高血圧になりませんでした。
 藤田教授は、「Rac1の阻害薬は高血圧治療に使える可能性がある。どの程度の投与なら副作用が出ないかなどを調べたい」と話しました。
 結果は18日付の米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」に掲載されました。
 日本人は1日平均、12〜13グラムの食塩を摂取しているという統計があります。食塩の主成分はナトリウムで、ヒトが海から陸上生活に進化する過程で、体内にナトリウムを保持するため腎臓からのナトリウムの流失を防ぎ、血圧や海水と似た血液の環境を維持するシステムを作り上げましたが、陸上での塩分の摂取の増加に伴い高血圧という病気を生じるようになりました。
 日本人の高血圧の3~4割の人は食塩を取りすぎると血圧が上昇し、減塩で血圧が低下する食塩感受性高血圧であり、ほかは食塩の増減でも血圧の変化の少ない食塩非感受性高血圧ということがわかっています。この体質は遺伝するとされており、食塩感受性に関係するとされる遺伝子多型もいくつか発見されています。
 食塩感受性高血圧の人では夜間高血圧になりやすく、心臓肥大を来したり、微量たんぱく尿などの腎臓障害が生じやすく、心血管の発症率が食塩非感受性高血圧の人に比較して倍になるとも報告されています。

 2011年7月21日(木)




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