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■皮膚細胞から直接、血小板を作製 輸血への利用に期待 [健康ダイジェスト]

 慶応大医学部などの研究チームは10日までに、人間やマウスの皮膚に含まれる線維芽細胞に3つの遺伝子を組み込み、出血を抑える血液の成分である血小板を作り出すことに成功しました。
 皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、それから血小板を作った例はありますが、皮膚細胞から直接作ったのは初めて。
 慶応大学などの研究チームは、比較的小さい負担で採取でき、短期間で増やせる皮膚の線維芽細胞に注目し、この細胞を基に出血を抑える血液の成分である血小板を作り出す研究を行いました。
 そして、別の細胞との比較から血小板に変化させるには特定の3つの遺伝子の組み合わせが必要なことを発見し、繊維芽細胞に加えた結果、12日後に50パーセントの割合で血小板になることを確認したということです。
 この血小板をマウスに投与したところ、実際に、出血を抑える働きがあったとしています。
 血小板は、白血病などの治療で繰り返し大量に必要になることがありますが、輸血用血小板は献血に頼るしかない上、保存期間も4日と短いため、供給が不安定なのが現状です。さまざまな細胞に成長できるiPS細胞を皮膚細胞から作り、血小板に成長させると50日以上かかります。
 今回の方法は増殖力の高い線維芽細胞から効率よく血小板を作り出すもので、遺伝子を入れた細胞の凍結保存も可能。iPS細胞を使う場合に比べ3分の1以下の時間で作ることができ、がん化する恐れもないとみられることから、研究チームは輸血用の血小板を確保する技術につながるとしています。
 研究に当たった慶応大学の松原由美子特任講師(臨床検査医学)は、「安全性を確認する研究を進め、白血病などの患者が自分の皮膚から血小板の基を作って保存しておくシステムを一日も早く実用化したい」と話しています。
 研究チームの成果は、米血液学会誌「ブラッド」の速報版に掲載されました。

 2012年8月12日(日)




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