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■マダニが媒介する感染症で8人目の死者 山口県の60歳代女性 [健康ダイジェスト]

 山口県は16日、野外のマダニが媒介して感染する新種のウイルスによる感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、県内の60歳代の女性が4月上旬に死亡した、と発表しました。国内での感染者は12人目で、うち死亡が確認されたのは8人目です。
 8人の内訳は山口県の女性2人、鹿児島県の女性1人と、広島県、愛媛県、長崎県、佐賀県、宮崎県の各男性1人です。山口県では1月に、成人女性が国内で初めてSFTSに感染し、昨秋に死亡していたことが発覚しています。
 同県健康増進課によると、60歳代の女性は4月初めに発熱や意識障害などがあったため病院に入院し、約1週間後に死亡しました。SFTSが疑われる症状があり、病院が保管していた血液を国立感染症研究所(東京都)で調べたところ、感染が確認されました。
 女性に海外渡航歴はなく、女性の家族は「3月下旬に山でダニにかまれた」と話しているといいます。
 SFTSを媒介するマダニは体長三~四ミリで、衣類や寝具など家庭内に生息するイエダニとは別種類。アジアやオセアニアに分布し、国内でも青森県以南の山野に生息しています。
 SFTSウイルスに感染すると、発熱やせき、嘔吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあります。感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。
 今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。
 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。
 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、SFTSのほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 2013年4月16日(火)




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