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■iPS細胞、腫瘍のリスク減らす技術を開発 京大iPS細胞研究所 [健康ダイジェスト]

 体のさまざまな組織になるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から新たな組織をつくる際に、腫瘍ができるリスクを減らす技術を京都大学の研究チームが開発しました。iPS細胞を使った再生医療の安全性を高める技術として期待されています。
 iPS細胞を体のさまざまな組織に変化させる際、元のiPS細胞の一部がわずかでも変化せずに残ると腫瘍の原因になる恐れがあり、こうした細胞を高い精度で取り除くことが再生医療の実用化に向けた課題となっています。
 京都大学iPS細胞研究所の齊藤博英教授(生命工学)を中心とする研究チームは、iPS細胞の中だけで働く「マイクロRNA-302」という小さな分子に注目し、この分子がない時だけ細胞を緑色に光らせる物質を人工的に作りました。
 そして、この物質をiPS細胞に入れて神経細胞に変化させる実験を行ったところ、完全に神経細胞に変化した部分は緑色に光り、iPS細胞が変化せずに残された部分は光らなかったということです。
 さらに、研究チームでは、この違いを目印にして、薬剤耐性にかかわる遺伝子を組み込んだ薬剤を使って、変化し切れずに残ったiPS細胞を高い精度で取り除く方法も開発したとしています。特殊な装置が必要な従来の方法と比べて、簡便だといいます。
 齊藤教授は、「この技術を利用して、iPS細胞から安全な細胞を作り、将来の臨床応用に役立てたい」と話しています。
 研究成果は9日、イギリスの科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表されました。

 2016年9月12日(月)

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