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■福島県の甲状腺がん確定、10人増の145人に 2巡目の本格検査が終了 [健康ダイジェスト]

 福島県は27日、東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった約38万人に対する甲状腺検査で、7~9月に新たに10人ががんと診断され、計145人になったと発表しました。
 福島県の「県民健康調査」の検討委員会は、「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」との立場を変えていません。
 甲状腺検査は、2011年秋から2013年度までの1巡目(先行検査)、2014年4月から2015年度の2巡目(本格検査)が終わり、今年度から3巡目(本格検査の2回目)に入っています。
 9月末までに、甲状腺がんの悪性または悪性疑いと診断されたのは、6月末の前回発表から9人増の計184人。うち116人は1巡目の検査で、68人は2巡目の検査で見付かり、3巡目の検査ではまだ報告されていません。
 2巡目の検査で甲状腺がんの悪性または悪性疑いと診断された68人の年齢は、検査時点で9歳から23歳。性別は男性31人、女性が37人と1対1・19の比率でした。通常、甲状腺がんは女性の比率が高くなっていますが、男性比率が極めて高い結果となりました。
 この点について、27日に開催された検討委員会で清水一雄委員が、「チェルノブイリ原発事故の変化の一つに男女比がある」とベラルーシの甲状腺医デミチク医師が言及していたことに触れ、福島県立医科大学の見解をただしましたが、甲状腺検査を担当している大津留晶氏は回答を控えました。また、春日文子委員が再発状態や遠隔転移について質問しましたが、これについても回答しませんでした。
 なお、68人の甲状腺にある、のう胞や結節(しこり)の大きさは5・3ミリから35・6ミリで、1巡目の検査の結果は、のう胞や結節が認められないA1判定だったのが31人、5ミリ以下の結節や20ミリ以下ののう胞が認められるA2判定だったのが31人で計62人。5・1ミリ以上の結節や20・1ミリ以上ののう包胞が認められるB判定だったのは5人。検査未受診者が1人いました。
 1巡目の検査では102人が手術を受け、101人が甲状腺がんと確定し、1人は良性腫瘍(しゅよう)でした。2巡目では手術を受けた44人で甲状腺がんが確定しました。6月末の前回発表では、原発事故当時5歳だった1人ががんと診断されましたが、新たにがんと診断された10人に5歳以下はいませんでした。
 福島県の「県民健康調査」の検討委員会は、被曝の影響が考えにくい理由として、チェルノブイリ原発事故に比べ福島県民の被曝線量が少ないとみられることや、がんが多発した5歳以下にほとんど発生していないことを挙げています。
 福島県では3カ月おきに、最新の甲状腺検査結果を発表しています。

 2016年12月29日(木)

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