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■慢性的な大量飲酒、認知症リスクが3倍以上に フランスの成人110万人を精査 [健康ダイジェスト]

 慢性的な多量飲酒が原因のアルコール摂取障害はあらゆる種類の認知症、とりわけ65歳未満で発症する若年性認知症の主要な危険因子であることが、公衆衛生に関する専門誌「ランセット・パブリック・ヘルス」(電子版)に21日に発表された研究論文で明らかになりました。
 研究者らがフランスの若年性認知症の5万7000人以上の症例を調査した結果、半分を優に超える症例が慢性的な多量飲酒が原因とされるアルコール依存症や、アルコール依存症には至らないものの飲酒による身体的、あるいは精神的、社会的な問題があるアルコール摂取障害であることが判明しました。全体として、アルコール依存症やアルコール摂取障害は、アルツハイマー型認知症を含むあらゆる種類の認知症のリスクを男性で3・36倍、女性で3・34倍高くすることに関連付けられました。
 従来の研究では、認知機能に対するアルコールの影響については結論が出ていませんでした。一部の研究では、少量から中量の飲酒には利点がある可能性を示しているものの、他の研究では、大量飲酒は認知症のリスクを上昇させると結論付けています。
 世界保健機関(WHO)は「慢性過剰飲酒」の定義として、男性で基準量の6杯か、それ以上である1日当たり純アルコール60グラム以上(アルコールドリンク約6杯以上に相当)、女性で40グラム以上としています。
 今回の調査では、研究者らは2008年から2013年にフランス都市部の病院に入院した患者のうち、認知症と診断された110万9343人の医療記録を精査。その結果、アルコールとの関連が統計学的に明白であることが示されたため、論文著者はアルコール飲料を入手しにくくするほか、増税や広告および販売への規制といった対策を講じるとともに、アルコール摂取障害の早期発見と早期治療を推し進める必要性を訴えています。
 これまでの研究でも、大量飲酒や喫煙、うつ病、学歴の低さは、認知症の危険因子としての関連性が確立されています。
 今回の研究は、フランス全土の病院の6年間にわたる患者の退院記録に基づいたもので、まれな認知症と関連する疾病の患者や若年の精神障害の人々は対象者から除外されています。
 研究論文の主著者でトランスレーショナル・ヘルス・エコノミクス・ネットワークのマイケル・シュワルジンガー氏は、「認知症とアルコール摂取障害との関連については引き続き検証する必要があるが、アルコールが脳の構造や機能に永続的なダメージを与えた結果ではないか」と考察した上で、「アルコール摂取障害に起因した認知症は、これまで考えられていたよりずっと多い。従って、多量飲酒がすべての型の認知症の主要なリスク因子であることを認識しておく必要がある」と強調しています。

 2018年3月6日(火)

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