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■京大、遺伝性乳がん卵巣がんの仕組み解明 発がんリスク測定に期待 [健康ダイジェスト]

 がん抑制遺伝子の一つ「BRCA1」が欠損した乳腺や卵巣では、女性ホルモンがDNAを切れた状態にしやすくなってがんのリスクを高めることがわかったと、京都大学の研究チームが22日発表しました。がんのリスクを測定する方法に活用できる可能性があります。
 研究成果は23日、アメリカの「科学アカデミー紀要」(電子版)に掲載されました。
 国内では遺伝性乳がん卵巣がん症候群として、遺伝性乳がんの患者は年間数千人、遺伝性卵巣がんの患者は年間約1000人新たに見付かり、それぞれのがん患者全体の3~10%を占めます。BRCA1の変異があったアメリカの人気女優アンジェリーナ・ジョリーさんは、予防のため乳房や卵巣、卵管を摘出したことで知られます。しかし、BRCA1の変異ががんを発症させる仕組みは、よくわかっていませんでした。
 医学研究科の武田俊一教授や笹沼博之准教授らは、BRCA1を働かなくした人の乳がん細胞を作製。妊娠中の女性と同じ血中濃度となるように女性ホルモン「エトロゲン」を投与すると、細胞が異常に増殖するとともに、細胞の遺伝子の集まりである染色体DNAの多くが切断されたままになりました。細胞を解析すると、BRCA1は本来、エストロゲンによって切断された染色体DNAの修復を促す働きがあるとわかりました。
 笹沼准教授は、「現在は遺伝子の変異がある女性について発がん頻度を判断できない。研究が進み、例えば発症が50歳以降と予測できれば、出産後に乳房や卵巣の予防的切除を受けることなども可能になる」と話しています。

 2018年10月24日(水)

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