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■ED薬などのオンライン診療、厚労省が指導を徹底へ 初診での対面診療をしない処方が横行 [健康ダイジェスト]

 対面での医師の診察を一度も行わずにオンライン診療による勃起不全(ED)や男性型脱毛症(AGA)の治療薬などの処方が横行していることを受け、根本匠厚生労働相は30日、閣議後の会見で「無診療治療を禁止する医師法違反の疑いもある事案については保健所が指導する」と述べ、不適切なオンライン診療をしている医療機関を指導する考えを示しました。
 根本厚労相は、今年3月に定めたオンライン診療のガイドラインで、医療上の安全性、必要性、有効性の観点から初診での対面診療は「最低限順守する事項である」との認識を示しました。例外として初診からオンライン診療が認められるのは、禁煙外来とすぐに適切な治療が受けられない離島など「極めて限定的なケースに限られる」としました。
 オンライン診療は4月に一部で公的医療保険が認められ、スマートフォンで診察が受けられるため普及が進んでいます。そのためのアプリを提供する企業が次々と出て、手軽に受診できます。日本医療ベンチャー協会によると、全国で月に1000~2000件の診察がオンラインで行われているといいます。
 ネットで検索すると、「ED薬を処方、来院する必要は一切なし」などと説明する医療機関が多数出てきます。その一部の医療機関は、通院不要とし、スマホで質問に答え、画面上で医師の診察を受ければよいとしています。
 オンライン診療による治療薬の処方は、EDのほかAGA、低用量ピルなど、患者が人目に触れることを嫌う傾向がある薬が多くなっています。花粉症治療のための抗アレルギー薬や、抗インフルエンザ薬の予防投与の処方などもあります。
 国民生活センターには、「一度も対面診療をせずに薬の危険性の説明が不十分だった」「薬が効かなかった」などの相談が寄せられているといいます。
 医療安全が専門で名古屋大病院医療の質・安全管理部の長尾能雅教授は、「初診で対面診療し、問診のほか視診、打診、聴診、必要によっては血液検査やX線撮影などを行うことで正しい診断ができる。薬の副作用を予防することもできない危険性がある」と話しています。ED薬では、多くの心臓病患者が使っているニトログリセリンなどとの併用が禁忌とされ、死亡例もあります。
 厚生省(当時)は1997年、遠隔診療の通知で、「初診及び急性期の疾患に対しては、原則として直接の対面診療によること」としました。2015年に厚労省が遠隔診療は離島、へき地に限らないことを明示したことでオンライン診療が増えました。「原則」なら問題ないと解釈して初診でも対面診療をしない場合が出てきたことから、厚労省は通知のあいまいな部分を明確にするため、今年3月に定めたオンライン診療のガイドラインで極めて限定的なケースを除いて初診は対面でと示しました。
 一方、根本厚労相はガイドラインについて、今後のオンライン診療の普及状況や情報通信技術の進展などを踏まえて定期的に見直す考えも合わせて示しました。

 2018年10月30日(火)

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