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■iPS細胞由来の腸でノロウイルスを増殖 大阪大が成功、ワクチン開発に光 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した腸の細胞を使い、食中毒の原因となるノロウイルスを増やす方法を確立したとする研究成果を、大阪大学などの研究チームが20日、発表しました。予防法や治療法の開発に活用できるといいます。
 ノロウイルスは、口から感染すると、小腸の上皮細胞で増え、激しい下痢や腹痛、嘔吐(おうと)などの症状が出ます。感染力がとても強く、毎年、集団感染が問題となっています。ウイルスを小腸から採取した細胞で増やす方法はあるものの、人の生きた細胞を使うことには倫理面の課題があり、ワクチンや特効薬の開発などの障害になっていました。
 研究チームはiPS細胞を小腸の上皮細胞に分化させ、厚さ0・01ミリ・メートルのシートを作りました。シートにノロウイルスを感染させると、約70時間でノロウイルスの数が最大500倍に増えたといいます。
 このシートを60度で15分間加熱したり、濃度0・1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液で30分間処理したりすると、ノロウイルスの増殖を抑えられました。さらに、数年前に日本で流行したタイプのノロウイルスを「免疫」にすることで、毎年最も流行するタイプのノロウイルスにも効果があることがわかりました。
 研究チームの佐藤慎太郎・大阪大学特任准教授(免疫学)は、「iPS細胞のほうが産業応用に向いている。ノロウイルス研究のスピード化が図れ、ワクチン開発につながるのではないか」と話しています。
 佐藤俊朗・慶応大学教授(消化器病学)は、「iPS細胞で作った腸の細胞は、胎児の細胞のように成熟しきれない課題がある。免疫や薬の効果を詳しく調べるには、大人の腸と比較した検証が必要だろう」と話しています。
 研究成果は、アメリカの消化器病学会の学会誌に発表します。

 2018年11月22日(木)

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