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■人工透析中止、福生病院院長が容認 女性死亡「意思を複数回確認」 [健康ダイジェスト]

 東京都福生市の公立福生(ふっさ)病院の人工透析治療を巡る問題で、外科医(50歳)は2014年ごろ、治療中止という方針を松山健院長(当時・副院長)に提案し、松山院長が了承していました。その後、患者に対して治療をやめる選択肢の提示が始まり、昨年8月に亡くなった女性(当時44歳)以外にも30歳代と55歳の男性ら数人が治療をやめる選択肢を示され、少なくとも2人が死亡しました。
 了承した理由について松山院長は、「選択肢を患者に提示することが普通の医療だから」と話しています。
 死亡した女性を巡っては、外科医と腎臓内科医(55歳)が昨年8月、「透析を受けない権利を患者に認めるべきだ」とする考えに基づき、透析治療の継続と、「死に直結する」という説明とともに治療をやめる選択肢を女性に提示。女性は治療をやめる意思確認書に署名しましたが、「撤回しようかな」などと治療再開の意思を示して亡くなりました。
 松山院長は「いろいろな選択肢を(女性に)与え、本人が(透析治療の中止を)選んだ上で意思を複数回確認しており、適正な医療だ」と強調。約5年前から透析治療中止を容認していたため外科医らから特段の報告はなく、女性のケースを知ったのは亡くなった後だったといいます。
 福生病院は、日本透析医学会のガイドラインで設置が望ましいとされている倫理委員会を開きませんでした。松山院長は「普通の医療の一環だから」と説明。「(病院全体で)年間200~300人が亡くなる。毎回開くのは非現実的だ」と話しました。
 一方、福生病院では2013年4月~2017年3月、最初から透析治療をしない「非導入」の選択肢を終末期ではない患者計149人に示し、20人が死亡しました。末期的な容体に限定している学会のガイドラインから逸脱していますが、松山院長は「非導入の選択肢は必要で、そのほうが倫理的だ。(他の医療機関は)『非導入の選択肢はない』と表向きはいうかもしれないが、患者を診ていたら(非導入が)あり得ることは医療人の誰もが思っていることだ」と話しました。
 また、松山院長は終末期医療について「意識がなく、意思表示が全くできない患者がいる。胃ろうや人工呼吸器は生命的には永らえる。医療費もそれなりに発生するが、それを是とするかどうかだ」と指摘。「透析治療を含め、どういう状況下でも命を永らえることが倫理的に正しいのかを考える切っ掛けにしてほしい」と語りました。

 2019年3月10日(日)

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