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■新型コロナウイルスの死者、世界で1万人超す イタリアが最多に [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスによる死者が20日、世界で1万人を超えました。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターの日本時間同日夕時点の集計によると、死者総数は1万32人。イタリアで3405人と急増が続き、中国本土の3249人を抜いて世界最多となりました。
 イランが1284人で3番目に多く、スペインが833人と続きます。
 感染はアフリカ各国など160カ国・地域に広がり、感染者の累計は24万人以上。政府発表で新規感染者が急激に減っている中国は8万人超で、イタリアが4万人以上、イラン、スペインが1万8000人超で続きます。一方、ドイツ、アメリカ、フランスもそれぞれ感染者が1万人を超し、世界全体で感染拡大が続いています。
 感染者のうち死亡した人の割合を示す致死率では、中国の4%に対してイタリアは8%に達し、世界保健機関(WHO)の世界全体の推定値3・4を大きく上回っています。
 新型コロナウイルスは高齢者や基礎疾患がある人が重症化しやすいことが、これまでの調査でわかっています。WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は、「イタリアの高齢化社会が一因」と分析しています。欧州連合(EU)によると、同国の人口に占める65歳以上の割合(2018年時点)は22・6%と、EU加盟国では最も高くなっています。 
 医療体制の不足も大きく、イタリアでは財政健全化に向け医療関連の予算を削ってきた経緯があり、過去5年間で病院など約760の医療機関が閉鎖されたほか、医師や看護師も足りていません。
 感染者が集中する北部の病院では集中治療室の病床が不足し、廊下や屋外テントに臨時の病床を設け対応に当たっています。人工呼吸器も限られるため、治療する患者の優先順位決めを迫られている病院も少なくありません。
 スペインでは、肺炎の症状を起こした高齢者が病院の集中治療室に運び込まれ、ベッドや人員の不足が起きています。現地紙によると、最も感染者が多い首都マドリードでは16日、16分間に1人が亡くなるという異常なペースとなりました。
 フランスでは、今後さらに感染範囲が広がるとみられています。マクロン大統領はフランス軍の持つ医療設備を一部新型コロナウイルス感染者の治療に使うことを決めたほか、患者の搬送に軍の車両を使うことも発表しました。
 そもそもヨーロッパでは、病床が少ない国が目立ちます。経済協力開発機構によると、人口1000人当たりの病床数はイタリアは3・2、スペインは3・0、イギリスは2・5となっており、日本は13・1と加盟国で最多。
 ヨーロッパでは多少の風邪であれば病院に行かないケースも多く、イギリス政府は新型コロナウイルスの対応で、熱などが出たらまず自宅で安静にするよう強く呼び掛けています。軽症や無症状の患者までも病院に殺到すれば、医療現場の混乱を招くためです。

 2020年3月20日(金)

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