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■新型コロナワクチン、一般市民への接種は2021年半ば以降 WHO「9候補が最終段階に」 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)の主任科学者スーミャ・スワミナサン氏は4日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症yのワクチンを各国で一般市民に接種できるのは2021年半ば以降になるとの見通しを示しました。ワクチン候補の試験結果が出ても、大量生産に時間がかかると説明しました。
 WHOによると、臨床試験中のワクチン候補は30以上あり、うち9候補が最終の第3段階にあります。スワミナサン氏は複数候補の試験結果が今年末か来年初めまでに得られると語った上で、「各国の規制当局やWHOが安全性と有効性について確信を持てるまでワクチンが大量に行き渡ることはない」と強調しました。
 ワクチンを巡っては、中国で開発中のワクチンの例外的な接種が始まり、国家主導で開発を進めるアメリカやロシアも11月の供給開始を目指して準備を進めています。
 ロシア政府は世界に先駆け、8月に自国産のワクチンを承認しており、イギリスの医学誌「ランセット」に4日掲載された論文によると、ロシアでワクチンを開発している研究チームによる初期的な臨床試験で、抗体をつくる効果を確認したといいます。
 今回の臨床試験は、ロシアの2つの病院で6月から8月にかけて実施。健康な18歳から60歳の男女76人に対してワクチンを投与したところ、すべての人の体内に抗体をつくることが確認され、深刻な副反応などはみられませんでした。論文は「ワクチンは強い免疫反応を誘発するが、効果を確認するためにはさらなる調査が必要だ」としています。
 ロシアはモスクワの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が国防省と開発したワクチンについて、旧ソ連がアメリカに先駆けて打ち上げに成功した人工衛星にちなみ「スプートニクV」と名付けました。臨床試験を終える前に承認したこともあり、安全性への疑問が出ていました。
 このロシア産ワクチンについては、これまでに20カ国以上が興味を示しています。フィリピンは10月から治験を始める計画で、費用はロシアが負担します。
 アメリカでは、ワクチン接種の準備を11月1日までに整えるように、政府が各州に求めています。これについて、ドナルド・トランプ政権が11月3日の大統領選を前に、ワクチン接種を拙速に始めようとしているのではないかと懸念されています。
 通常の手順では、ワクチン候補が安全で有効だと証明するのに数カ月から数年を要するものの、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、ワクチンの速やかな導入を求める声もあります。

 2020年9月5日(土)

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