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■がん化のリスクあるiPS細胞を肥満治療薬で除去 慶応大など [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を変化させる際に、肥満の治療薬を加えることで、がん化のリスクがある細胞のみを取り除くことができたと、慶応大学医学部などの研究チームが発表しました。iPS細胞の純度を高めることで、細胞移植などの安全性を高められる可能性があります。
 研究成果は、アメリカの科学誌「アイサイエンス」に6日に掲載されました。
 iPS細胞はさまざまな細胞に変化させることができ、目の組織や神経、心筋の細胞にして患者に移植する治療法が研究されています。しかし、うまく変化できない細胞が残っていると、がん化する恐れがあることが課題になっています。
 研究チームは、変化する前の人のiPS細胞内のタンパク質を解析し、細胞の増殖に脂肪酸が関係していることを突き止めました。そこで、脂肪酸の合成を妨げる効果があり、アメリカなどで肥満治療薬として承認されている脂肪酸合成阻害薬「オルリスタット」をiPS細胞が入った培養皿に加えました。すると、変化する前のiPS細胞を死滅させることができたといいます。
 また、人のiPS細胞から心筋細胞や神経細胞に変化させる過程で、この薬を加えて72時間観察したところ、変化できなかったiPS細胞だけをほぼ死滅させることができました。
 iPS細胞の純度を高める研究はほかにもあるものの、今回の手法はコストが低く簡易で、一度に多くの細胞を精製できる強みがあるといいます。
 研究チームの遠山周吾・慶応大特任講師は、「より臨床応用に向いている手法だと考えられる」と話しています。

 2020年9月12日(土)
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